2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of molecular genetic features and search for novel diagnostic markers in hyaline vascular type Castleman disease
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22K15405
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西村 碧フィリーズ 岡山大学, 保健学域, 講師 (80931568)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | キャッスルマン病 / 単中心性 / 硝子血管型 / RNA-Seq |
Outline of Annual Research Achievements |
硝子血管型単中心性キャッスルマン病(HV-UCD)の凍結保存リンパ節検体(4例)について、反応性リンパ節過形成の凍結保存リンパ節検体(10例)を対照として全トランスクリプトーム解析にて発現変動遺伝子(DEGs)およびPathway解析を行った。 DEGs解析では、immunoglobulin superfamily member 1(IGSF1)、濾胞樹状細胞(FDC)細胞に発現する遺伝子(FDCSP, CXCL13, CLU, CSTAなど)、補体関連遺伝子(C3,CD2など) 、血管新生因子(PGF)、TGFB1I1などの遺伝子の有意な発現亢進がHV-UCDにおいて認められた。Pathway解析では、血管新生、細胞接着、組織構築などに関わるPathwayの亢進がHV-UCDにおいて検出された。 FDCに関連する遺伝子の発現亢進については、組織学的な特徴(dysplastic FDCの出現)と併せ、HV-UCDの病態にFDCが深く関与していることを示唆する結果であった。 血管新生に関わる遺伝子のうち、placenta growth factor(PGF)の発現がHV-UCDで特徴的であると考えられた。PGFやTGFβなどは線維芽細胞の増殖に関連することも知られ、HV-UCDに特徴的な線維の硝子化に関連している可能性も考えられ、さらなる検討に繋げていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者のライフイベントに係る研究中断期間があったため、当初の計画から中断期間分の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
凍結検体を用いた網羅的遺伝子発現解析を完了し、HV-UCDに特徴的な発現を示す遺伝子群(100遺伝子程度)の抽出を終えた。今後、これらの遺伝子群に対しカスタム遺伝子パネルを作製し、FFPE検体も含めたより多数例についてnCounterによる遺伝子発現解析を行い、これらの遺伝子発現の再現性を検証する。それに併行し、in situ hybridizationや免疫染色を加え、着目する遺伝子の組織における発現の局在を確認するとともに、HV-UCDの病態形成との関連を考察したい。本解析については2024年度の日本リンパ網内系学会で発表予定であり、英語論文での発表を目指している。
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Causes of Carryover |
代表者のライフイベントに伴い研究中断期間が発生したため。今年度計画していた研究を次年度以降に行うため、その費用として使用する。
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