2023 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌の治療抵抗性に関わる責任遺伝子ANXA8の機能的意義の解明と治療応用
Project/Area Number |
22K15408
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
黒木 秀作 大分大学, 医学部, 技術専門職員 (50905213)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / MAPK阻害薬 / annexin A8 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は主要な遺伝子異常が明らかになっており、約90%の症例で活性型K-ras変異によるMAPK経路の活性化が生じている。したがって、MAPK経路は重要な治療標的と考えられ、治療候補薬も開発されているが、実際の膵癌患者を対象とした臨床試験において有効性を示す結果は得られていない。私はこの理由を調べていく中で、MAPK阻害薬治療抵抗性に関与する分子としてannexin A8(ANXA8)を抽出した。本研究では、ANXA8の機能的意義の解明と治療標的としての可能性を検証することを目的として研究を進めた。 昨年度の研究成果として、CRISPR/Cas9システムを用いてPK-59 ANXA8ノックアウト細胞株(ANXA8-KO株)を樹立し、MAPK阻害薬に対する感受性を調べたところ、ANXA8-KO株では親株と比較してMAPK阻害薬による細胞増殖抑制効果が高まることを見出した。さらに、ANXA8-KO細胞株とその親株をマウスに皮下移植して治療実験を行ったところ、ANXA8-KO細胞株を移植したマウスでは、親株を移植したマウスと比較して、MAPK阻害薬治療によって腫瘍の増殖がより強く抑制されることを明らかにした。 本年度は、昨年度の予備実験のデータを検証するために、マウス皮下移植モデルによる治療実験の追試験を施行し、これまでのデータを支持する結果が得られた。さらに、ANXA8の発現制御メカニズムを解析していく過程で、ANXA8の発現を抑制する2つのシグナル経路を同定した。現在はこれらのシグナル経路を活性化、または阻害する化合物を抽出し、治療薬としての可能性やMAPK阻害薬との併用による治療効果を検証している。
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Research Products
(10 results)