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2022 Fiscal Year Research-status Report

Role of membrane vesicles produced by the intestinal microbiota in intestinal homeostasis.

Research Project

Project/Area Number 22K15455
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

小林 伸英  金沢大学, 医学系, 助教 (30712799)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords腸内細菌 / 膜小胞
Outline of Annual Research Achievements

腸管内には約1000種類、100兆個に及ぶと言われる腸内細菌が存在し、宿主と相互作用することで互いの恒常性を維持している。細菌は脂質二重膜に包まれた膜小胞(membrane vesicle: MV)を分泌する。ある種の病原細菌が作るMVは宿主に対して免疫原性を持つことや細胞毒性を持つことなどが報告されているが、宿主と共生する腸内細菌が産生するMVの生理作用については不明な点が多い。申請者はこれまでに、クロストリジウム属菌のうち、病原細菌であるボツリヌス菌Clostridium botulinumから4株、ボツリヌス菌と近縁だが健常者の腸内細菌叢にも見られるC. sprorogenesから1株、C. scindensから2株の計7株からMVを単離し、宿主細胞に対する影響を解析した。その結果、これらの菌株由来MVは腸上皮細胞株に対して傷害性を示さなかったが、いずれもパターン認識受容体を介してサイトカインの発現を誘導することを見出している(Front Microbiol 13, 2022.)。このことから、常在クロストリジウム属菌に関しても宿主恒常性に影響を及ぼしていることが示唆された。本研究では、腸内常在細菌が産生するMVが上皮細胞の分化制御を中心とした腸管恒常性維持に果たす役割を明らかにすることを目的 とする。
当該年度は、単層培養した腸管オルガノイドの頂端膜側に腸内常在菌の一種であるC. sprorogenes由来MVを添加し、細胞分化マーカーの遺伝子発現をqPCR法によって解析した。その結果、複数の細胞分化マーカー遺伝子の変動が確認されたことから、C. sprorogenes由来MVが腸管上皮細胞の分化状態に影響を及ぼす可能性が示唆された。C. sprorogenes単菌のMVで上皮細胞の分化に影響が見られたことから、他の菌由来のMV、さらにそれらが組み合わさった複雑な腸内細菌叢に由来するMVにおいても同様に分化を制御する可能性は高いと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

腸管オルガノイド培養に必須なマトリゲルの世界的な供給不足に加え、無菌マウスの供給も不十分であり、当初予定よりも進行がやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

腸内細菌叢全体からMV単離し、その腸管上皮細胞への作用を解析する。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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