2023 Fiscal Year Research-status Report
類鼻疽菌の多彩な病原性を規定する新規因子の探索と同定
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22K15457
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 隆司 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (20845200)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 類鼻疽 / 細胞内寄生菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
類鼻疽菌の感染によって起こる類鼻疽は、急性経過を辿る場合が多いが、慢性感染や潜伏感染となることも知られている。この原因の一つとして類鼻疽菌株によって病原性の強さが異なること挙げられるが、病原性の違いが何によって決定されているかについては不明である。前年度では、病原性の強弱と相関するコロニー形状に着目し、コロニーの色に関わるある遺伝子が細胞内増殖性に関わることを明らかとした。そこで本年度は、同定した遺伝子が類鼻疽菌のマウスに対する病原性に関わるか検討を行った。しかし、予想と異なり、当該遺伝子と類鼻疽菌の病原性との関連は認められなかった。そこで細胞内での増殖性を指標として、トランスポゾンにより作製した変異株ライブラリのスクリーニングをあらためて行ったところ、類鼻疽菌の細胞内増殖に関わる遺伝子群の同定に至った。類鼻疽菌の強毒株は同定した遺伝子によって細胞内で生存・増殖するのに対し、病原性の弱い類鼻疽菌株では当該遺伝子は発現していなかった。これらの結果から、類鼻疽菌株間の異なる病原性を規定する因子の一つを同定できたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、類鼻疽菌の病原性とコロニー性状との相関に着目し、変異株のスクリーニングを行った結果、コロニーの色に関与する遺伝子の同定に至った。しかし、同定した遺伝子と類鼻疽菌のマウスに対する病原性との関連は確認されなかった。そこで、当初の研究計画とは異なる手法で変異株のスクリーニングを行ったところ、類鼻疽菌の株によって異なる病原性に関与する遺伝子の同定に至った。これらの実験に時間を要したため、2年間で当初の目的を達成するには至らなかった。しかし、研究期間を1年延長することにより、同定した遺伝子の機能解析等を十分に達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の想定とは異なる結果が得られたが、実験手法を変更することでin vitroにおいて類鼻疽菌の病原性の強弱に関わる遺伝子の同定を行うことができた。よって、残りの期間は当初の計画通りに同定した遺伝子とマウスに対する類鼻疽菌の病原性との相関を確認し、さらに当該遺伝子の機能解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)想定と異なる結果が得られたため、進行が想定より若干遅延し、期間延長をおこなったため。 (使用計画)次年度は、対象遺伝子欠損株の病原性を評価するために動物実験および遺伝子の機能解析を行う。そのため残額については、実験動物および機能解析実験に使用する物品の購入費用、ならびに解析技術料に充当する。
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Research Products
(3 results)