2023 Fiscal Year Research-status Report
small RNAを標的とした緑膿菌薬剤耐性機序の解明とその検査・制御方法の開発
Project/Area Number |
22K15458
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大沼 健一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (70899822)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | small RNA / 緑膿菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は研究に使用する緑膿菌保存菌株からRNA抽出条件の最適化をおこなった。 RNA収量が予想よりも少なく、菌量および菌の増殖段階等を考慮して抽出条件の最適化を続けている。 RNAシークエンスを実施する純度と収量のRNAを抽出できる条件を検討し、その後smallRNAの網羅的解析を行う予定である。 また、網羅的解析に加え、緑膿菌の薬剤耐性に関わる既知のsmall RNAについてRT-PCRにて発現量の解析を行うこととし、プライマー設計と定量RT-PCRの測定準備をおこなった。また、 当初使用予定の菌株の他に、別の患者から分離された多剤耐性緑膿菌株を収集することができた。これらの菌株についても順次、網羅的解析およびRT-PCRを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度に試薬の供給遅れから実験開始が遅れていた。 緑膿菌からのsmallRNAの抽出をキット、もしくはフェノール・クロロホルム抽出法にて検討したが、シークエンス解析に必要な精度と収集量で試料を得られていない。抽出条件、菌量、さらにはどの増殖段階の菌を用いるかについても検討する必要があると考えている。 この間、当初使用予定であった菌株のほかに、多剤耐性緑膿菌の臨床分離株を新たに確保した。多剤耐性に関わるsmallRNAが菌株によらず普遍的に発現しているかどうかの評価に用いる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、small RNAの抽出条件の最適化を検討中であり、その後網羅的解析を行う予定である。 網羅的解析に加え、緑膿菌の薬剤耐性に関わる既知のsmall RNAについてRT-PCRにて発現量の解析を行う。既知のsmall RNAの発現についての解析ではあるが、同一患者から経時的に分離された菌株でのsmall RNAの発現量を評価した研究は少なく、緑膿菌のsmall RNA研究、薬剤耐性メカニズムの解明において、重要な意義を持つことが期待される。 また、当初使用予定の菌株の他に、別の患者から分離された多剤耐性緑膿菌菌株を収集することができたため、本菌株のMLST解析をすすめ、別strain株と確定後にsmallRNAの発現比較を行う予定である。
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Causes of Carryover |
試薬の納品遅れから実験開始が遅れたことと、RNAの抽出条件の検討に時間を要しており、高額となる網羅的解析について未だ実施していない。2024年度には網羅的解析から機能解析まで実施したく、次年度に繰り越して使用を予定している。
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