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2022 Fiscal Year Research-status Report

カイコを用いたサイトカインストーム発症メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 22K15461
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

宮下 惇嗣  帝京大学, 付置研究所, 講師 (40818308)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
Keywordsカイコ / 自然免疫
Outline of Annual Research Achievements

飢餓(Starvation)・有機溶媒(DMSO)の投与・病原体成分の接種(Pathogen)による複合ストレスによって、カイコはショック死した。複合ストレスによるショックを起こしたカイコでは、血液中への凝集体形成(debris formation)、血清タンパク質の分解と総タンパク濃度の低下、全身の麻痺、血液のアルカリ化に伴う外骨格直下の尿酸剥離を認めた。 プロテアーゼ阻害剤としてヒト臨床に用いられているナファモスタットは、上記のショックに対して治療効果を示した。また、抗凝固薬としてヒト臨床に用いられているヘパリンも、治療効果を示した。また、給餌はショック死に対する予防効果を示し、カイコ血中に存在する貯蔵糖であるトレハロースの血中投与も部分的な治療効果を示した。ショックに関連して発現変動する遺伝子群を、血球細胞のトランスクリプトーム解析をもとに探索したところ、炎症性サイトカインやタンパク質分解酵素を含む51の遺伝子がショック関連遺伝子として同定された。以上の結果は、病原体成分の接種を引き金とする敗血症性ショック反応は自然免疫システムの範疇でモデル化でき、その機序にはプロテアーゼ活性や血液凝固系の異常が寄与していることを示唆している。本モデルを治療薬候補化合物の探索に応用することが期待される。 病原体成分に対する生体応答は、広い意味では免疫反応の一端として捉えることができる。ヒトの免疫系は、獲得免疫系と自然免疫系が存在するが、そのうち自然免疫系の基本的な分子デザインはカイコの様な昆虫にも保存されている(ref: Hoffman)。カイコモデルにおいてヒトの敗血症性ショックと類似した病態が観察されたことは、敗血症性ショックの病態進行メカニズムの重要な部分は、自然免疫システムの破綻によるものであることを意味している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

サイトカインストームモデルの作出と、その分子メカニズムの一端を明らかにすることができたため。

Strategy for Future Research Activity

今後は、サイトカインストーム発症の鍵となる血中プロテアーゼの同定、並びにDMSOが果たす役割についての解明を進める。

Causes of Carryover

当初計画していた実験の一部を次年度に持ち越したため。当該助成金は、次年度の実験遂行に必要な経費として用いる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Peanut triacylglycerols activate innate immunity both in insects and mammals2022

    • Author(s)
      Li Wenyuan、Miyashita Atsushi、Sekimizu Kazuhisa
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 12 Pages: 7464

    • DOI

      10.1038/s41598-022-11494-0

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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