2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規Helicobacter cinaedi由来病原因子の構造解析と病原性評価
Project/Area Number |
22K15465
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
青木 沙恵 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (10908453)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Helicobacter cinaedi |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(2023年度)は、HcaAの局在性を確認するため、HcaAをターゲットとした抗体を用いてイムノブロットおよび免疫蛍光染色による観察を行った。その結果、HcaAは膜画分に局在し、菌体外に分泌されていない可能性が示唆された。また、HcaAおよび他のヘリコバクター属菌が産生する類似体の立体構造を比較したところ、立体構造自体は類似しているものの、接着に寄与することが予想されるモチーフはH. cinaediにのみ認められることがわかった。 加えて、HcaAの生体内における機能を明らかにするため、Helicobacter cinaediを感染させたTHP-1細胞のトランスクリプトーム解析を行った。その結果、HcaA産生株を感染させた群では非感染群に比べ116個の遺伝子の発現が上昇しており、このうちCXCL1やCXCL8などの炎症促進に寄与するタンパク質をコードする遺伝子を含む92個の遺伝子はHcaA欠損株を感染させた群でも上昇していたが、NF-κB活性化の転写因子であるTICAM-1をコードする遺伝子を含む24個の遺伝子についてはHcaA欠損株を感染させた群では上昇していなかった。一方、発現が減少した遺伝子については、HcaA産生株を感染させた群では非感染群と比較して51個の遺伝子が認められたが、HcaA欠損株を感染させた群ではほとんどの遺伝子(47遺伝子)で発現減少が認められなかった。
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