2022 Fiscal Year Research-status Report
メモリーCD8+T細胞で発現するDMRTA1の機能解析
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22K15495
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
近藤 博之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60935047)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メモリーCD8+T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルスなどの病原体の感染により、CD8+ T細胞は再感染から生体を守るメモリーCD8+ T細胞へと分化する(免疫記憶)。近年、メモリーCD8+ T細胞の分化や維持機構に関与する因子が明らかになりつつあるが、全容解明には至っていない。そこで、メモリーCD8+T細胞が関与する免疫記憶機構解明のために、メモリーCD8+T細胞で発現が高く、T細胞での機能が未知な因子を免疫細胞のデータベースImmgen(The Immunological Genome Project)や自らが行ったメモリーT細胞を対象としたプロテオーム解析から探索した。その結果、現在メモリーCD8+T細胞で発現が高く、T細胞での機能が未知な転写因子に着目し研究を進行している。初年度である2022年度では、現在注目している転写因子のT細胞特異的欠損マウスの作製を行った。CRISPER-Cas9システムによるゲノム編集法により遺伝子座をCreリコンビナーゼ標的配列floxで挟んだfloxノックインマウスの作成に成功した。また、徳島大学動物実験施設に作成したfloxノックインマウスを搬入後、CD4-Creノックインマウスと交配することでT細胞特異的欠損マウスの作製にも成功した。現在、作製したT細胞特異的欠損マウスのT細胞を含めた免疫細胞の亜集団解析や病理解析を進めている。さらに、この転写因子のメモリーCD8+T細胞での機能を解明するためにインフルエンザウイルス感染実験を予定し準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではメモリーCD8+T細胞で発現が高く、T細胞での機能が未知な転写因子を発見した。この遺伝子の機能を解析するために、T細胞特異的欠損マウスの解析が必須であり、まずfloxノックインマウスの作成に取り掛かった。その結果、順調にfloxノックインマウスが作成でき、次に、CD4-Creノックインマウスと交配することでT細胞特異的欠損マウスの作製を行い、こちらについても順調に作成ができた。予定よりも早く、 T細胞特異的欠損マウスの作成ができ、現在、先行して免疫細胞の亜集団解析やT細胞の機能解析を行っていることが概ね順調に進展している理由である。また、メモリーCD8+T細胞の機能を解析するには感染実験が必要であり、現在までにインフルエンザウイルス感染実験を確立できたことも理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の研究の推進方策では、まず作製したT細胞特異的欠損マウスのT細胞を含めた免疫細胞の亜集団解析や病理解析を進める。また、T細胞についてはin vitroでのCD3/CD28刺激実験でT細胞の機能についても解析する。次に、インフルエンザウイルス感染実験を行い、メモリーCD8+T細胞の細胞数や頻度について検討し、遺伝子発現解析や結合因子の海瀬も行っていく。
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