2023 Fiscal Year Annual Research Report
Role of a novel histone modification regulator in immune response
Project/Area Number |
22K15498
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高島 謙 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (10802647)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫応答 / ヒストン修飾 / 核小体 / マクロファージ / B細胞 / クラススイッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は新規ヒストン修飾制御因子である核小体分子Xを同定し、分子XがヒストンH3K27me3修飾を制御し、乳癌の形成進展に必須であることを明らかにしてきた。本研究では、分子XがマクロファージやB細胞の機能に与える影響を明らかにすることで、H3K27me3をはじめとするエピジェネティクス制御機構の免疫応答における意義に迫ることを目的とし、解析を行った。 本研究では、まず研究項目1として分子Xのみならず種々の核小体恒常性維持因子がマクロファージの自然免疫応答の制御に重要であることを見出した。核小体の恒常性が破綻した場合、細胞質内にDNA成分が漏出することを発見し、この成分がSTING経路を刺激することで、炎症の亢進が生じやすくなることを見出した。すでにこのDNA成分の特徴づけや放出機構についても新たな知見を得ており、現在、論文投稿準備中である。 次に研究項目2としてB細胞クラススイッチにおける分子Xやヒストン修飾の新たな役割を見出した。分子Xを欠損させたB細胞ではIgAなどへのクラススイッチは促進するものの、IgEやIgG1へのクラススイッチが著減することが明らかとなり、分子XやヒストンH3K27me3修飾がB細胞クラススイッチの指向性を制御することが示唆された。この研究の過程でex vivoレベルでのB細胞の遺伝子改変技術を考案することにも成功した。現在、コンディショナルノックアウトマウスの樹立を進めており、今後個体レベルでの意義について明らかにする予定である。
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