2022 Fiscal Year Research-status Report
メタボローム解析による腫瘍崩壊症候群の新規バイオマーカーの同定
Project/Area Number |
22K15507
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
森田 美穂子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (40623872)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 腫瘍崩壊症候群 / メタボローム解析 / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍崩壊症候群(Tumor lysis syndrome, TLS)は、がん化学療法開始直後にがん細胞の急速な死滅崩壊により高カリウム血症、高リン血症、高尿酸血症を生じる急性代謝異常である。Oncologic emergencyであり、発症リスクに応じた適切な予防マネジメントを行う必要があるが、その病態生理は解明不十分である。申請者は、本研究において、培養白血病細胞を用いて抗がん薬による細胞死に伴う細胞内エネルギー代謝の変化を脂肪酸代謝、糖代謝に絞って検討し、TLS病態のさらなる解明とTLS発症の予測マーカーとなるべきバイオマーカーの同定を目指している。 現在、培養急性前骨髄球性白血病(HL60)を用い、抗がん薬シタラビン(Ara-C)を用いて、HL60に対するAraCの増殖抑制効果の評価のためにIC50を測定しており、3回の平均値としてIC50は530nMと確認している。 次いで、HL60にAraC10μMで設定し、72時間暴露させた。遠心をかけ、その上清を保管しており、解析待機中である。 これらより、AraC10μMのHL60への添加は十分量の細胞破壊が期待でき、その上清には崩壊培養細胞からの代謝産物が十分に含まれることが見込める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他の業務の関係で、本研究の研究時間を十分に確保できなかったこと、研究補助員の確保が困難であったことから計画通りに研究を進めることができず「やや遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
さらに、多数の濃度における上清を確保し、生化学データ・メタボローム解析を行ううえで十分な量のサンプル採取に努める。
|
Causes of Carryover |
人件費支払い対象となる人員の確保が困難であったため、人件費として予定していた予算が未使用となった。また、研究遂行の遅延のため、次年度使用額が生じた。2023年度、培養細胞の確保、培養物品の購入に使用する予定である。
|