2023 Fiscal Year Annual Research Report
臨床膵癌の「一細胞遺伝子糖鎖同時解析」によるCAFの治療標的糖鎖の探索
Project/Area Number |
22K15520
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮崎 貴寛 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90909433)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / 癌関連線維芽細胞 / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性固形癌の代表である膵癌の特徴である間質組織増生に焦点を当て、その中心的な役割を担う癌関連線維芽細胞(Cancer Associated Fibroblast, CAF)の治療標的となる糖鎖構造を「一細胞遺伝子糖鎖同時解析(scGR-seq)」という最新手法を用いて解明し、新規CAF標的治療薬の開発への足掛かりとすることを目的とした。 大学附属病院で摘出した膵癌3検体についてscGR-seq解析を行った。腫瘍を用手的細断後、酵素処理により細胞単離を行った。当初フローサイトメトリーによるCAF分画の抽出を行い、CAF分画のみの解析を予定していたが、腫瘍全体像の把握のため、CAF分画を抽出せず、癌細胞を含む上皮系細胞、免疫細胞などを含めて腫瘍全体の解析とした。遺伝子発現と糖鎖発現から16のクラスターに分類し、それぞれに特異的に発現する糖鎖を求めた。CAFのクラスターは遺伝子発現パターンから2つのクラスターに相当し、既報に照らし、iCAF(inflammatory CAF)-likeとmyCAF (myoblastic CAF)-likeの2つのクラスターとなった。その2つのクラスターに特異的な糖鎖について臨床検体を用いた組織染色で検証を行った。順位付けの高いものから検証を行っているが、実験条件の検討などに時間を要しており、検証作業はまだ途中である。引き続き検証を続けていく予定である。また、オルガノイド共培養を用いた実験系での検証も行う予定である。
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