2022 Fiscal Year Research-status Report
がん関連線維芽細胞に発現するUBL3の非小細胞肺がん増殖・浸潤への寄与検証
Project/Area Number |
22K15525
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高梨 裕典 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (50898872)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺癌 / 癌関連繊維芽細胞 / UBL3 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
当科において肺癌手術を行った患者由来の肺癌組織から癌関連繊維芽細胞株(CAF)と腫瘍細胞株の樹立を試みた。CAF株を樹立する事に成功し凍結保存を行ったが、腫瘍細胞株の樹立は困難であったため、普及している肺腺癌細胞株(A549)および肺大細胞癌細胞株(H1299)で代用する方針とした。CAFは継代を繰り返す事により老化し、表現型が変化しやすいため、まずA549とH1299を用いてUBL3ノックアウトの手法とエクソソーム抽出法を確立する方針とした。A549、H1299にCRISPR/CS9システムを作用させ、ピューロマイシンによる選択後に、それぞれの細胞種においてクローン株を20個ずつ採取した。UBL3に対するウエスタンブロットの条件検討を行い、クローン化した双方の細胞種においてUBL3がノックアウトされた細胞株を複数確認した。採取したUBL3ノックアウト細胞株を増殖させ、培養上清を用いて超遠心法によりエクソソームを回収し、ナノトラッキング法による解析までのシークエンスを確立した。今後、樹立したCAFにおいて同様の手法(CRISPR/CAS9によるUBL3ノックアウト、超遠心法によるエクソソーム抽出)を適用し、UBL3ノックアウトCAF株と親CAF株のエクソソームにおけるプロテオミクス解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腫瘍細胞の株化は一般的に困難とされており、本研究においても癌関連繊維芽と同一症例由来の腫瘍細胞を株化することは困難であった。しかし、普及している肺腺癌細胞株を代用として用いることが可能な研究デザインであり、CAF株の樹立は可能であった。CRISPR/CAS9を用いたUBL3ノックアウト細胞株樹立法、ウエスタンブロットによるUBL3発現評価法、エクソソーム抽出法など、本研究において難所と考えられる実験法を確立する事が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、樹立したCAFにおいて同様の手法(CRISPR/CAS9によるUBL3ノックアウト、超遠心法によるエクソソーム抽出)を適用し、UBL3ノックアウトCAF株と親CAF株のエクソソームにおけるプロテオミクス解析を行う予定である。 さらに、腫瘍細胞株とCAF株を混合した増殖・浸潤アッセイなどを行う予定である。
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