2023 Fiscal Year Research-status Report
がん関連線維芽細胞に発現するUBL3の非小細胞肺がん増殖・浸潤への寄与検証
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22K15525
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高梨 裕典 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50898872)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺癌 / 癌関連繊維芽細胞 / UBL3 / エクソソーム / 乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/CAS9により樹立したUBL3ノックアウト肺腺癌細胞株(A549)の培養上清より超遠心法でエクソソームを抽出した。CD63をはじめとする複数のエクソソームマーカーが、抽出したエクソソームにおいて発現している事をウエスタンブロットで確認した。エクソソームにおけるUBL3発現は、従来用いていたウエスタンブロットでは確認が出来なかったが、高感度ECL等を用いてプロトコールを改変する事でUBL3発現を確認することが出来た。既報では乳癌細胞のエクソソームにUBL3がタンパク質を積載しており、UBL3はエクソソームに留まる事が知られていた。今回の実験で、肺癌細胞においても乳癌と同様にエクソソームへUBL3が局在することがわかったため、UBL3が肺癌細胞のエクソソームにおいてもタンパク質の積載を担っていることが示唆された。 癌細胞単独で増殖アッセイ(Cell Counting Kit-8 (CCK-8) (Dojindo))、遊走アッセイ(trans-well insert (Corning))、浸潤アッセイ(Matrigel invasion chamber (Corning))をそれぞれ行った。UBL3ノックアウト株では親株に比して、増殖能は約1.3倍、浸潤能は約1.6倍、遊走能は約6倍促進されていることが確認され、癌細胞単独においてはUBL3が癌進展の抑制因子として作用していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エクソソームにおけるUBL3発現をウエスタンブロットで確認することが従来のプロトコールでは困難であり、条件検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
UBL3の局在が確認されたエクソソームにおいてプロテオミクス解析を行い、ノックアウト株と親株においてエクソソームに内包されるタンパク質の差異について解析する。 樹立したCAFと腫瘍細胞を併用して増殖、浸潤、遊走アッセイを行い、UBL3のCAFに対する作用を検証する。
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Causes of Carryover |
癌細胞由来エクソソームにおけるUBL3発現の確認に時間を要したため、プロテオミクス解析と、解析結果の発表に至らなかった。次年度以降に上記項目を行う予定であるが、計画遅延のため研究期間を1年延長する見込みである。
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