2023 Fiscal Year Annual Research Report
発生部位による遺伝子変異の違いに着目した胆道癌発癌メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K15528
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西川 義浩 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80802785)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胆嚢癌 / 胆道癌 / ELF3 |
Outline of Annual Research Achievements |
胆道癌は予後不良な難治癌の一つであり、病態解明と新規治療法の開発が急務である。ELF3 (E74 Like ETS transcription Factor 3)はETSファミリーに属する転写因子であり、近年各種癌における発現の異常が報告、注目されている。胆道癌に関しては、特に胆嚢癌において、ELF3遺伝子のloss-of-function変異がTP53遺伝子に次いで2番目に高い頻度で認めることが近年報告され、胆道癌形成において癌抑制遺伝子として機能していることが強く示唆されている。 そこで本研究では、胆道癌の発生部位の違いによる発癌メカニズムの違いの解明と、また胆嚢癌において高率に遺伝子変異を認めるELF3遺伝子がどのように発癌に関与するかの解明と、さらにELF3が胆道癌の治療標的となり得るかを明らかにすることを目的とした。 令和4年度は、マウスモデルの検討により、Elf3が特に胆嚢において腫瘍形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。また、オルガノイドを用いた検討により、Elf3が胆嚢においてはERBBやmTOR pathwayを抑制することで、腫瘍抑制性に働いている可能性が示唆された。 そこで令和5年度は、マウス胆道腫瘍オルガノイドを中心とした解析を進め、ELF3がEREGの発現を直接抑制することで、その下流のEGFR/mTORC1 pathwayを抑制し、胆嚢腫瘍の腫瘍形成において重要な役割を果たすことを明らかにした。さらに、ELF3を欠損させた胆嚢腫瘍オルガノイドはEGFR/mTORC1阻害剤が奏功することが明らかとなり、ELF3変異をもつ胆嚢癌の治療標的となる可能性を示した。
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