2023 Fiscal Year Research-status Report
卵巣癌の新規治療標的 TIE-1 に対する PROTAC を用いた阻害剤の開発
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22K15536
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石橋 ますみ 東北大学, 大学病院, 助教 (20821383)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | TIE-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
TIE-1阻害剤の確立を研究目的とし、昨年度は、TIE-1のPROTAC(PROteolysis-TArgeting Chimeras)のin silicoでの設計、PROTACのライブラリー作成を企業に依頼していた。しかしながら、技術および費用的に困難であったため、今年度は、創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)に TIE-1 PROTACライブラリー作成支援を申請したところ、支援の承認を得た(課題番号 5861)。 現在は BINDS の支援実施者である京都大学大学院薬学研究科 薬品合成化学分野 高須 清誠 教授と摂南大学 薬学部の北谷和之 教授に協力いただき、PROTAC の設計、ライブラリー作成を進行中である。化合物合成には計画段階で想定していたよりも長い時間を要する見込みであるが、来年度までにはライブラリーが完成することを目標としている。 ライブラリー作成後は、TIE-1 PROTAC を TIE-1 高発現卵巣癌細胞株に暴露し、細胞から蛋白を回収して TIE-1 の定量を行い、最も TIE-1 の蛋白量を減少させる TIE-1 PROTAC を hit TIE-1 PROTACとして同定する。hit TIE-1 PROTAC を同定した後は、複数の卵巣癌細胞株を用い、TIE-1 PROTAC 曝露後の細胞生存率を測定し、卵巣癌治療に用いられる抗がん剤との細胞増殖抑制効果と比較、または抗がん剤と TIE-1 PROTACとの併用による抗腫瘍効果を確認する予定である。また、免疫不全マウスを用いて生体レベルでの TIE-1 PROTAC 単独および抗がん剤と併用での抗腫瘍効果を確認する予定である。 昨年度はPROTAC作成が難航し、大きな研究成果は得られなかったため学会報告は行っていないが、今年度は研究成果の国内および海外の学会で発表できるよう研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PROTACライブラリー作成が難航しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ライブラリーが完成したのち、 TIE-1 PROTAC をそれぞれ TIE-1 高発現卵巣癌細胞株 TOV-112D に暴露したのち、細胞から蛋白を回収して TIE-1 の定量を行い、最も TIE-1 の蛋白量を減少させた TIE-1 PROTAC を hit TIE-1 PROTAC とする。hit TIE-1 PROTACを同定した後に、複数の卵巣癌細胞株を用い、TIE-1PROTAC 曝露後の細胞生存率を測定し、卵巣癌治療に用いられる抗がん剤との細胞増殖抑制効果と比較する。また、免疫不全マウスを用いて生体レベルでのTIE-1PROTAC単独および抗がん剤と併用での抗腫瘍効果を確認する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画当初予定していたPROTACライブラリーが完成していないため、費用は繰り越すこととなった。
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