2023 Fiscal Year Research-status Report
膵腺房導管異形成が誘発する膵癌遠隔転移のメカニズム解明
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22K15540
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤穂 宗一郎 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00882854)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膵癌 / 膵腺房導管異形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の実績として、野生型C57BL/6Jマウスから膵腺房細胞を単離し、exVivo実験で膵腺管導管異形成を再現すると、膵腺房細胞から膵腺管類似細胞と変化した細胞ではOsteopontinやGalectin-1が産生され、培養上清に分泌されていることを明らかにした。これらのサイトカインは膵癌細胞の進展に寄与していることが報告されている。2023年度に実際に膵腺管導管異形成が膵癌細胞の増殖に促進的に働くことを確認した。 方法として、exVivo実験として上記と同様に野生型C57BL/6Jマウスより膵腺房細胞を単離し、TGF-aを添加することで膵腺管導管異形成を起こした後、その培養上清を膵癌細胞株(PanO2)へ添加し癌細胞の増殖能・遊走能をMTT assay・Invasion assayにて評価した。結果として、膵腺管導管異形成を起こした細胞では膵癌の増殖能が有意に上昇することが明らかとなった。遊走能に関しても同様の傾向が確認された。 また、膵腺房細胞の腺管導管異形成が起こることで、膵癌細胞がどのように変化するのかを評価するために、RNA-seqでの遺伝子発現変化の評価を予定している。2023年度では腺房導管異形成が起こった細胞の上清を添加した癌細胞のRNA抽出を行った。今後、RNA-seqを行う予定となっている。 本年度得た結果は、膵腺管導管異形成に関する新規知見であり、今後も本研究課題を遂行する意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は①ex Vivo ADM modelを用いたADMの遺伝子発現解析、②ADMが膵癌細胞に与える影響の評価、③生体内でADMが膵癌細胞の遠隔転移を促進することを証明、の3つの小目的で構成されており、2023年度に小目的③を開始する予定であったが、小目的②を行っている段階である。理由としては、exVivo実験で膵腺房細胞から膵腺管導管異形成を起こすことが、一時的に困難となり、原因の探求に時間を要したためである。結果として、培地の調整により解決し現在に至っている。今後は、計画に沿うように実験を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実験計画通りに実験を行う予定である。本研究で遂行する小目的①ex Vivo ADM modelを用いたADMの遺伝子発現解析、②ADMが膵癌細胞に与える影響の評価、③生体内でADMが膵癌細胞の遠隔転移を促進することを証明、のうち2024年度は引き続き小目的②を進める。膵腺房導管異形成が膵癌細胞に及ぼす影響を次世代シーケンサーによる遺伝子発現解析により評価する。また、その結果を元にVivo実験である小目的③を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は本研究での3つの小目的である①ex Vivo ADM modelを用いたADMの遺伝子発現解析、②ADMが膵癌細胞に与える影響の評価、③生体内でADMが膵癌細胞の遠隔転移を促進することを証明、のうち小目的③の準備を行う予定であったが、現段階で小目的②を行っており、研究にやや遅延がある。そのため次年度使用額が生じた。2024年度はADMにより影響を受けた膵癌細胞の遺伝子発現がどのように変化したかをRNA-seqを用いて評価する。そして、小目的③にあるマウス実験を遂行予定である。
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