2022 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞癌における転移の分子機構および腫瘍免疫回避機構の解明
Project/Area Number |
22K15544
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
冨野 高広 九州大学, 医学研究院, 助教 (10906340)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / VETC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肝細胞癌における転移の分子機構および腫瘍免疫回避機構を解明し、その中心的役割を担う遺伝子を制御する薬剤を開発して免疫チェックポイント阻害剤の奏功率を向上させることを目的とする。現在、当院における肝細胞癌で肝切除術や生体肝移植術を施行した症例でVETCやAng2の発現を免疫染色にて評価中である。さらに、血管新生に関与すると報告されているmTORの発現を臨床検体で確認し、VETCやAng2の発現との相関を調査中である。また、臨床検体や肝細胞癌細胞株においてRacやDOCK1の発現も今後評価予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
診療業務に割く時間が増加してしまい基礎研究の遂行が遅れてしまったが、臨床データ解析などを行う準備は進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①当院における肝細胞癌で肝切除術や生体肝移植術を施行した症例でVETCやAng2の発現を免疫染色にて評価し、さらに、血管新生に関与すると報告されているmTORの発現を臨床検体で確認してVETCやAng2の発現との相関を確認する。 ②Ang2をknock downした肝細胞癌細胞株を樹立し、その細胞株とコントロール細胞株をRNAシークエンスへ提出し、網羅的に発現差のある遺伝子を抽出する。 ③肝細胞癌細胞株におけるRac変異をジェノタイピングして同定し、また臨床検体でも同様の解析を行う。 ④肝細胞癌細胞株においてDOCK1の発現を確認し、DOCK1をknock downした肝細胞癌細胞株を作成し、VETCやAng2発現と相関がないか検証する。 ⑤VETCやAng2を発現した肝細胞癌の治療薬として既存の薬剤から候補となる薬剤がないか検証する。 ⑥得られた知見を適宜国内外の学会で発表し、随時原著論文として迅速に報告する予定である。
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