2023 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント阻害薬によるirAEの発症予測および診断のバイオマーカー探索
Project/Area Number |
22K15559
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
矢内 正晶 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30874375)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 免疫関連有害事象 |
Outline of Annual Research Achievements |
事象(immune-related adverse events:irAE)という免疫を介在した有害事象への対応が課題となっているが、その発症機序はまだ十分には解明されておらず、irAEの発症予測や鑑別に有用なバイオマーカーは存在しない。本研究では、侵襲の低い血液検体を用いたirAEの発症予測および鑑別のバイオマーカーの探索を目的としている。 本年度は当院におけるICI投与症例のレジストリ研究を開始し、ICIによるirAE発症状況および臨床情報を用いたirAEのリスク因子の検討を行った。レジストリ研究では、2014年1月以降に当院でICIを投与した1041例を登録し、irAEの発症状況に関する調査およびirAEのリスク因子の検討を行った。なお、今年度は当院で262例が新規にICIを開始され、1年間で110件の中等症以上のirAEを認めた。当院におけるICI投与症例のうち、ICI投与前に既存の間質性陰影がある症例、KL-6、SP-D高値の症例では、irAEとしての間質性肺疾患の発症リスクが高いことを示した。また、CTLA-4阻害薬や分子標的薬を併用した場合にはirAEの発症リスクが増加することを明らかにした。これらは第21回日本臨床腫瘍学会学術集会にて報告した。 一方でICI投与患者の血液検体を用いたirAEの発症予測や鑑別のバイオマーカー探索を目的とした臨床研究の開始準備に時間を要しており、まだ症例登録および血液検体の収集が開始できていない。そのため次年度に臨床研究の開始、症例集積を進めていく予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度よりICIによるirAE発症状況について、当院におけるICI投与症例のレジストリ研究を開始し、臨床情報を用いたirAEのリスク因子の検討を開始し、症例の集積をすすめているが、ICI投与患者の血液検体を用いたirAEの発症予測や鑑別のバイオマーカー探索を目的とした臨床研究の開始準備に時間を要しており、まだ症例登録および血液検体の収集が開始できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当院におけるICI投与症例のレジストリ研究での症例集積を継続し、臨床情報を用いたirAEのリスク因子の検討を行う。また、ICI投与患者の血液検体を用いたirAEの発症予測や鑑別のバイオマーカー探索を目的とした臨床研究を開始し、症例登録および血液検体の収集を進めていく予定としている。
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Causes of Carryover |
臨床検体を用いた研究の開始が遅れており、今年度の使用額が少なくなっている。次年度から臨床検体の採取を開始するため、次年度から物品費として使用する予定である。
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