2023 Fiscal Year Annual Research Report
高密度集束超音波を応用した肝・胆道悪性腫瘍に対する超低侵襲治療法の開発
Project/Area Number |
22K15562
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
皆川 卓也 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学成田病院, 講師 (90626714)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / フリーラジカル / 高密度集束超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、超音波照射により励起された二酸化チタン粒子がフリーラジカルを発生する現象、「二酸化チタン・超音波触媒法」を応用して、肝・胆道悪性腫瘍に対する新規治療法の開発に取り組んできた。先行研究により、マウスを用いたチタン合金性ステント閉塞擬似モデルに超音波照射を行うことで、ステント内腫瘍閉塞の抑制効果を見出している。すなわち、二酸化チタン・超音波触媒法は肝・胆道悪性腫瘍に対しても抗腫瘍効果を示す可能性が示唆された。次に、強力な細胞障害作用を有する高密度集束超音波(HIFU)は、切除不能膵癌に対する治療効果をもつことが報告されている。高強度の超音波を照射することで大量のフリーラジカルが発生するならば、より強大な抗腫瘍効果を示す可能性がある。以上より、本研究では二酸化チタン粒子またはチタン合金製ステントに超音波エネルギーの大きなHIFUを照射することで発生するフリーラジカルを介した、新規の超低侵襲抗腫瘍療法の開発を目指している。今回、二酸化チタンナノ粒子およびチタン合金製ステントに照射する超音波の周波数および強度に関する至適条件の検証を、蛍光イメージング技術を用いたマウスモデルにて行った。その結果、肝細胞癌細胞株に応じて至適条件が異なることを見出した。また、ヒト肝細胞癌株であるHepG2に加えてJHH-4を用いた肝細胞癌ブタモデルを作成し、肝細胞癌大動物モデルとして使用可能かどうかの検討を多角的に行った。HepG2を用いた大動物モデルでは大型肝細胞癌を再現性をもって生成可能であり、ラジオ波焼灼術や肝動脈化学塞栓療法を行うに適した治療モデルと判断した。現在、ヒト胆道癌細胞株を用いた胆道癌大動物モデル作成に取り組んでいる。
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