2022 Fiscal Year Annual Research Report
CTOS法による患者由来癌オルガノイドを用いた新たな薬剤感受性検査法の確立
Project/Area Number |
22K15579
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 雅彦 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80868555)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オルガノイド / CTOS法 / 薬剤感受性試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元培養技術であるオルガノイド培養は、近年では化学療法に対する新たな効果を予測する手法の一つとしても注目されている。しかしながら、オルガノイド培養を用いた薬剤感受性試験の結果と臨床効果とを比較した報告は少なく、相関性も明確になっていない。そのためオルガノイド培養を用いた薬剤感受性試験による薬剤選択は施行されていない。本研究の目的は、CTOS(Cancer Tissue-Originated Spheroid)法による患者由来癌オルガノイドを用いた臨床的に有用な薬剤感受性検査法の確立、及び薬剤感受性に関連した有用なバイオマーカーを特定することである。CTOS法を用いる事で、本来の癌組織に近い組織学的特性、遺伝子変異を保持したオルガノイドを短期間かつ高い成功率で作製が可能であり、リアルタイムでの薬剤感受性試験を実施する事ができる。さらにオルガノイドより分離したがん幹細胞を解析に用いることで、薬剤感受性に関連した有用なバイオマーカーの特定にも繋がることが期待される。本研究でCTOS法による臨床的に有用な薬剤感受性検査の確立や効果予測バイオマーカーを発見することで、将来的に適切な薬剤選択が可能となり、より高い有効性、安全性が望める治療を施すことが可能となる。 本研究は、化学療法開始前の尿路上皮癌・腎細胞癌を対象としている。化学療法開始前の患者腫瘍由来の癌オルガノイドを作製し、薬剤感受性試験を行うにあたって、まずは既存の凍結保存された尿路上皮癌由来のオルノガイドと2次元培養細胞株を用いた薬剤感受性試験を行った。この結果を、今後リアルタイムで薬剤感受性試験を行う際の薬剤濃度の参考とする。
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