2022 Fiscal Year Research-status Report
優れた抗腫瘍効果を発揮する再生T細胞療法実現のための新規T細胞分化系の開発
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22K15580
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
早稲田 真澄 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (60794295)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫再生治療 / キラーT細胞 / 3次元培養 / Notchシグナル / iPS由来間葉系細胞(iMSC) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、優れた抗腫瘍効果を発揮する再生T細胞療法を実現するために、がん細胞を殺傷する能力を有するキラーT細胞と抗腫瘍効果を高める役割を有するヘルパーT細胞を、ヒトiPS細胞から誘導できるT細胞分化系を開発することである。 予備検討の段階では、iPS細胞から神経堤細胞(Neural Crest Cell, NCC)と呼ばれる中間細胞を作製した上でNotch受容体のリガンドを遺伝子導入し、導入後の細胞を更に分化させることでT細胞分化を支持するフィーダー細胞として間葉系細胞(iPS-derived Mesenchymal Stromal Cell, iMSC)を得ていた。しかし、当該方法では遺伝子導入後に毎回Notchリガンドの発現レベルを確認する必要があったため、Notchリガンドを導入したiPS細胞を用いることで省力化できるかどうかを検討した。その結果、Notchリガンドの発現量に依存して分化が遅れるものの、無事iPS細胞からiMSCを誘導できることが確認出来た。これによりNotchリガンド発現iPS細胞を一度樹立してしまえば、iMSC分化ロット毎にNotchリガンドの発現レベルを確認する必要なく、研究を実施できるようになった。 このiMSCを用いてT細胞分化を実施したところ、培養3週間程度でαβ型T細胞受容体(T Cell Receptor, TCR)を発現するCD4/CD8両陽性細胞が分化し、8週間程度でαβ型TCRを発現するキラーT細胞を得る事ができた。これまでの分化法では、予めαβ型TCRを導入したiPS細胞を用いる必要があったため単一のTCR発現T細胞しか誘導できなかった。当該TCRの多様性を確かめる必要性はあるものの、本法により複数のTCRを発現するキラーT細胞集団が分化可能になれば、任意の抗原を認識するTCRの取得に応用できるかも知れないと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
キラーT細胞の分化については複数の培養条件を検討し、目的細胞が効率的に分化する条件を見出した。一方、当該分化系にてHLA class II発現細胞を誘導する事には成功したものの、HLA class II発現iMSCの樹立には着手できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当該分化法にて分化させたキラーT細胞の機能評価およびTCRの多様性解析を実施する。 HLA class II発現iMSCを樹立し、ヘルパーT細胞の分化条件検討を実施する。 T細胞とHLA class II発現細胞を共培養し、特定のT細胞受容体を選択的に取得可能かどうか検討する。
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