2023 Fiscal Year Annual Research Report
NISレポーター遺伝子の変異を応用した高感度生体移植後細胞モニタリング法の開発
Project/Area Number |
22K15581
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
能勢 直子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80642404)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NIS / 分子イメージング / PET / 核医学レポータータンパク / 基質特異性 / SPECT |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞治療は革新的な治療法の一つとして期待されているが、投与された細胞がいつどのように生体内に分布すれば治療効果向上に繋がるのかは未だ不明である。そこで本研究では、ラジオアイソトープを利用した高感度イメージングを用いて、レポータータンパクであるナトリウム/ヨウ素共輸送体(NIS)を事前に治療細胞に発現させることで、生存投与細胞の体内分布を高感度かつ長期的に追跡可能な細胞トラッキング法の確立を目指す。特に本プロジェクトでは、NIS遺伝子の野生型と変異型の基質特異性が異なる点に着目し、トレーサ集積を増やして細胞検出感度の向上を目指している。
具体的には、核医学レポータータンパクの1つであるNISを移植用細胞に発現させておき、反復的に移植後細胞の放射性同位元素取り込み量を測定し、長期的な生体移植後細胞の動態と生着能を評価する。さらにNIS遺伝子の野生型と変異型では基質特異性が異なり、遺伝子型ごとに異なる放射性同位元素を取り込むという性質を利用し、異なる遺伝子型のNISを発現させた複数種の細胞を同時移植し、各々の動態と生着能の違いを確認し、検出システムを最適化する。
本課題では、NIS遺伝子の野生型と変異型の遺伝子合成を行い、各遺伝子をプラスミドベクターへ組み込むことに成功した。幹細胞にNIS遺伝子を発現させたNIS発現細胞株を樹立し、動物実験に供する為、安定的に継代した。NIS発現細胞株を用いたin vitro実験では、取り込み時間や培地や阻害薬の影響など条件検討を行い、NISの活性評価を行った。また、健常マウスを小動物用SPECTおよびPET装置を用いてイメージングし、撮像後は、各臓器・組織中に取り込まれた放射能をガンマカウンターで測定し、投与後細胞の局在は免疫染色でも確認することで、健常動物におけるNISの生理的トレーサ集積を放射性同位元素を用いて定量評価した。
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