2022 Fiscal Year Research-status Report
胃癌サブタイプとPET陽性に着目した免疫逃避と代謝からみた腫瘍微小環境の解明
Project/Area Number |
22K15584
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木庭 遼 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10866776)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PET / 胃癌 / 分化度 / 代謝 / 免疫抑制細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
胃癌は世界で減少傾向であるものの本邦における罹患率・死亡数は依然として高く、胃癌の治療抵抗性の克服は解決すべき課題である。本研究ではPET陽性胃癌と癌細胞のサブタイプに着目し、免疫抑制細胞の機能、局在、そして代謝の変動を評価する。これにより、癌細胞サブタイプ毎の腫瘍免疫微小環境と癌細胞免疫逃避機構のメカニズムを明らかにすることを目的とした。そして、免疫抑制細胞を活性化する代謝環境の改変につながる新規治療法の開発を目指している。 今年度は胃管状腺癌、低分化型充実型胃癌、低分化型非充実型胃癌、胃印環細胞癌のシングル遺伝子発現解析を行った。近年、免疫抑制機能を有する腫瘍関連マクロファージ (TAM)と骨髄由来抑制細胞 (MDSC)でグルコース代謝が最も活発であることが報告されたが、PET陰性になる頻度が比較的高い印環細胞癌ではグルコーストランスポーター関連遺伝子(GLUT-1-4)の発現が高値であり、TCA回路関連遺伝子・核酸合成経路関連遺伝子・脂肪酸関連遺伝子の発現が高値であることが判明した。一方、低分化型充実型胃癌ではグルタミン酸トランスポーター(ASCT2)の発現がそれ以外の胃癌と比較して高値であった。以上から分化度によって代謝環境が異なる可能性が示唆された。今後、免疫抑制機能を有するTAMやMDSCにおける代謝関連遺伝子を評価し、細胞サブタイプ毎の腫瘍免疫微小環境と癌細胞免疫逃避機構のメカニズムを明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃管状腺癌、低分化型充実型胃癌、低分化型非充実型胃癌、胃印環細胞癌のシングル遺伝子発現解析を行い、PET陰性になる頻度が比較的高い印環細胞癌ではグルコーストランスポーター関連遺伝子(GLUT-1-4)の発現が高値であり、TCA回路関連遺伝子・核酸合成経路関連遺伝子・脂肪酸関連遺伝子の発現が高値であることが判明した。一方、低分化型充実型胃癌ではグルタミン酸トランスポーター(ASCT2)の発現がそれ以外の胃癌と比較して高値であった。分化度によって代謝環境が異なる可能性を示すことができたため、上記区分に評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでPET陰性になる頻度が比較的高いと報告されているスキルス胃癌の次世代プロテオミクス解析 (iMPAQT法)による評価やPET陽性胃癌とPET陰性胃癌のシングルセル遺伝子発現解析を施行しているため、この結果からPET陰性胃癌の代謝環境について網羅的に評価する。PET陽性の有無による代謝環境の違いと存在する免疫抑制細胞の相関を明らかにし、分化度とPET判定による新たな個別化治療を目指す。
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Causes of Carryover |
研究計画はおおむね順調に進展しており、資金を有効に使用できたため。次年度も引き続き測定用試薬、受託解析等に使用予定である。
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