2023 Fiscal Year Research-status Report
がんゲノム医療で判明したバリアントのスーパーコンピューターを活用した機能解析
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22K15585
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 陽平 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30791579)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | T-REMD / HER2ダイマー |
Outline of Annual Research Achievements |
シミュレーションの計算において、昨年実施したHER2ダイマーの初期構造決定の結果を解析した結果、病原性バリアントの解析を実施していくにあたって、初期構造としていくつかの出発構造を設定する事を考えた。特に、HER2ホモダイマーとHER2-EGFRヘテロダイマーはそのダイマー状態の構造の報告がなく、構造における信頼性を高めるために温度レプリカ交換分子動力学法(T-REMD)を実施して、それらのダイマーがとりうる構造パターンを広く探索した。
その結果、通常MDで行った結果から得られた複数の構造パターンによる空間内で、T-REMDによって得られる構造のパターンをほぼカバーできている事がわかった。したがって、T-REMDのシミュレーションの構造は熱で構造が壊れている可能性も考慮して、通常MDシミュレーションの構造を使用していく事を判断した。
HERタンパクにおける病的バリアントを対象としたシミュレーションを行っていくための初期構造として、通常MDで得られた構造から代表構造としてHER2ホモダイマーを5種類、HER2-EGFRヘテロダイマーを5種類、HER2-HER3ヘテロダイマーから3種類を選択した。それに対して野生型を含む13のバリアントに対して、169通りの組み合わせで、5 equilで1マイクロ秒のシミュレーションをそれぞて実施して計算を完了させた。 また、同様にHER2モノマーに関しても、野生型を含む13のバリアントに対しても、13種類のバリアントに対してのMDシミュレーションの計算を実施して完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シミュレーションの実施にあたって、タンパクのサイズが大きいため仮想原子を一部使用したシミュレーションが必要であったことなどから、通常のMDシミュレーションに比べて計算時間を多く要した。
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Strategy for Future Research Activity |
計算の完了に遅れが生じてしまったものの、病的バリアントの計算が昨年度中に完了したため、順次その計算結果の解析を進めていき、今年度内に解析結果をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
2024年度へ延長申請を行ったため
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