2022 Fiscal Year Research-status Report
Novel companion diagnostics of drug resistance to molecularly targeted therapy in lung cancer
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22K15588
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉村 彰紘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (10927221)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コンパニオン診断法 / 肺がん / 分子標的薬治療 / 治療抵抗性 / AXL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のEGFR遺伝子変異陽性肺がん症例の治療前の腫瘍検体を用いた免疫染色の結果、腫瘍内AXL高発現およびp53発現はそれぞれ26%、53.3%を占め、また、収集した臨床情報から得た情報をもとに、AXL高発現はオシメルチニブの効果において効果不良因子であったが明らかになった。さらに、我々のコホートやTCGAデータベース解析にてAXLとPD-L1の発現は有意な相関を示すことが明らかになった。追加解析で、AXL高発現およびPD-L1陽性の症例ではオシメルチニブの無増悪生存期間のさらなる短縮がみられ、AXL高発現およびPD-L1陽性はより強い効果不良因子であった。また、細胞株を用いた実験で、EGFR遺伝子変異を有するBa/F3細胞にAXL遺伝子を導入することで、導入前と比較してオシメルチニブの感受性が有意に減弱すること、およびAXL高発現がcMYCを介してPD-L1発現の亢進を誘導させるということが明らかになった。 これまでに、複数のがんで腫瘍内AXLタンパク発現が予後不良因子ということが報告されているが、今回、我々はEGFR遺伝子変異陽性肺がんに対する第3世代EGFR阻害薬であるオシメルチニブの効果においても、腫瘍内AXLタンパク発現が効果不良因子であることを示せた。しかし、これだけでなく、さらにAXL蛋白が発現亢進を誘導するPD-L1も陽性となるような症例においては、より予後が不良であり、これら二つの発現の有無を組み合わせて評価することでEGFR遺伝子変異陽性肺がんにおけるオシメルチニブの治療効果をより精密に予測することができ、より精度の高いコンパニオン診断法を確立できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね解析も、細胞株を用いた実験も進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
コンパニオン診断法に役立つさらなるバイオマーカーの探索を行う。
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