2023 Fiscal Year Annual Research Report
Novel companion diagnostics of drug resistance to molecularly targeted therapy in lung cancer
Project/Area Number |
22K15588
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉村 彰紘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研修員 (10927221)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コンパニオン診断法 / 肺がん / 分子標的薬治療 / 治療抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都府立医科大学附属病院および共同研究機関で2018年9月から症例登録を開始し2019年12月までに進行期・術後再発のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者100例を登録した。同時に各々の患者の治療開始前の腫瘍検体を回収し、回収した腫瘍検体に対してAXLおよび関連タンパクの免疫染色を行った。腫瘍内AXL発現の程度を評価しオシメルチニブの治療効果との関連を評価したところ、腫瘍内AXL発現はオシメルチニブの治療効果(無増悪生存期間、最良総合効果)と有意に相関を認めた。我々は、これまでに腫瘍内PD-L1発現とオシメルチニブの治療効果について関連があることを報告しており、その結果を踏まえて、TCGAのデータベースを用いてAXLおよび関連タンパクの発現とPD-L1発現に関連性についても評価したところ、AXLとPD-L1発現について強い相関がみられた。また、EGFR遺伝子変異を有するBa/F3細胞を取得したので、この細胞にウイルスベクターを用いてAXL遺伝子導入を行い、AXL遺伝子導入に伴うオシメルチニブの感受性の変化や各タンパク分子発現などを評価したところ、AXL遺伝子導入によってオシメルチニブの感受性は導入前と比較して有意に減弱し、また同時にタンパクレベルでのPD-L1発現の上昇を認めた。追加のWBにてAXL遺伝子導入によってcMYCのタンパク発現レベルの上昇を認めたため、AXL陽性のEGFR遺伝子変異陽性肺がんではAXL-cMYC-PD-L1という経路を介して、オシメルチニブの感受性が減弱することが明らかになり、より精度の高いコンパニオン診断法の確立に役立つと考える。
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