2022 Fiscal Year Research-status Report
希少糖D-alloseを用いた尿路上皮癌に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
22K15608
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松岡 祐貴 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40552807)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 希少糖 / 抗腫瘍効果 / TXNIP |
Outline of Annual Research Achievements |
抗腫瘍効果のメカニズムを検討するため、TXNIPの発現を検討した。Western blottingでは、D-allose(濃度10、25、50mM)投与後の3種類すべてのヒト膀胱癌細胞株で濃度依存性にTXNIPの発現を促進させた。 さらにFACS解析では、そのヒト膀胱癌細胞内のROS濃度の有意な上昇を誘導した。また抗酸化剤であるグルタチオンとD-alloseの共処理により、D-alloseによるヒト膀胱癌細胞内のROS濃度の上昇とcell viabilityの阻害が抑制された。 以上、in vitroの結果によって、D-alloseの膀胱癌細胞に対するTXNIP発現を介したROS濃度上昇による抗腫瘍効果を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は予備実験により証明された希少糖D-alloseのヒト尿路上皮癌細胞に対する抗腫瘍効果におけるメカニズムを解明することである。 現在までにTXNIPの発現とROS濃度の上昇が関与していることが明らかとなった。これはメカニズム解明の第一段階としておおむね順調な経過といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
D-Alloseの細胞内取り込みメカニズムを解明するために、取り込みを主導するTransporterを特定する。 具体的には、D-alloseを取り込まない細胞(前立腺癌細胞)と取り込む細胞(腎細胞癌 細胞)とのGlucose transporterの発現比較でD-alloseの候補Transporterを抽出する。 また、人体に対する安全性を確認するために、ヒト正常、および尿路上皮癌細胞・組織における D-alloseの取り込み能を解析する。
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Causes of Carryover |
研究計画に沿って順調にすすめているが、引き続き研究が必要。 当初の計画内での金額である。
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