2022 Fiscal Year Research-status Report
尿中アルブミン排泄量に関連するSNPの探索と基礎的検討
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22K15661
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥田 拓史 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (60868230)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | GWAS / SNP / 尿中アルブミン |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病 (CKD) は、保険政策上もっとも深刻な問題の一つである。腎機能悪化を早期から捉えることが重要だが、腎機 能悪化早期は特徴的な兆候に乏しいため、その把握は大変難しい。 尿中アルブミン排泄量は CKD 領域のみならず、心血管疾患・糖尿病・肥満・高血圧な どのバイオマーカーとして知られている。 一般的に、尿中アルブミン排泄量は、腎機能悪化、糖尿病、肥満、高血圧に伴って増加 する。しかし、一方では、腎機能が悪くないのに多量の尿中アルブミン排泄量を認める場合や、腎機能が悪いのに尿中アルブミン排泄量増加を認めない症例が散見される。糖尿病、 高血圧を発症していて、尿中アルブミンが陽性であれば、腎機能低下の予測因子となるが、 そのような基礎疾患がなく、尿中アルブミン排泄量が正常範囲内であっても、その多寡が将来的な腎機能低下のリスクファクターとなるかどうかはわかっていない。この要因の一 つとして、何らかの遺伝的背景が影響していると考えられるが、そのような正常範囲の尿中アルブミン排泄量の遺伝的影響については明らかになっていない。申請者は、日本人のデータを用いて、尿中アルブミ ン排泄量に関するゲノムワイド関連解析(GWAS)を、初めて報告した。 申請者は、既に、東北メディカル・メガバンク(TMM)計画により収集された1万人分の健康調査データ(ToMMo10K)を用いた GWAS を行い、日本人の一般住民における尿中アルブミン排泄量に関する、遺伝的要因を検討した。本研究においては、検体数を約7万(ToMMo67K)に増やすこ とによる既報結果の追試、並びに、既報の候補遺伝子の基礎的検討を行う。 また、ToMMo10KとのMeta-GWASを行い、要約統計量を元にpolygenic risk scoreを計算し、重複のないデータでリスク予測を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ToMMo67Kを用いたGWASにて、対象形質に関する候補SNPは検出された。 データ量が多いため、個人用に付与されたアカウントではデータ保存量が限られるため、より容量の多いプロジェクトアカウントを申請したが、途中でスーパーコンピュータの仕様変更などもあり、アカウントを申請して許可されるまでに時間がかかってしまい、候補SNPに関する検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
再度解析方法が妥当かどうかを確認するため、もう一度再解析を行い、検出されたSNP候補に関して、その意義・妥当性を検証する。 また、ToMMo10KとのMeta-GWASを行い、要約統計量を元にpolygenic risk scoreを計算し、重複のないデータでリスク予測を行う。
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Causes of Carryover |
COVID19による渡航制限があり、予定していた海外学会に行くのが難しかった。
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Research Products
(1 results)