2022 Fiscal Year Research-status Report
Novel Biomarkers for Predicting Glycemic Profile as Indicated by Continuous Glucose Monitoring
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22K15674
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
林 哲範 北里大学, 医学部, 講師 (30458830)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 慢性合併症 / 持続グルコース測定 / 血液透析 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者数は年々増加しており、慢性血管障害の発症や糖尿病及びその合併症による死亡も依然として多く、糖尿病に伴う慢性血管障害の発症・進展を抑制することが糖尿病治療の目標の根幹である。持続グルコース測定(CGM: continuous glucose monitoring)は近年、本邦でも広く糖尿病の日常診療・臨床研究に用いられており、2019 年には新たな CGM血糖管理指標として、血糖 70~180 mg/dL が占める時間である time in range などのCGM metricsが提唱された。しかしCGM血糖管理指標と糖尿病合併症の関係に関する検討は少ない。当院のCGMデータベースを構築し、CGM血糖管理指標と糖尿病性神経障害、網膜症、腎症や大血管障害、生命予後の関係を明らかにすることを目指している。加えて、CGM metricsを反映する新規バイオマーカーの探索を行う。 2022年度はデータベースの構築を進め、予定よりも多少の遅延はあったが、2022年度前半にデータベースのオリジナルは完成した。欠損データや各種糖尿病の病態により追加で抽出が必要なデータを現在も追加し、バージョンアップを繰り返している。すでに糖尿病血液透析患者のCGMデータベースは、糖尿病血液透析患者の特有のデータを含め抽出でき、現時点では完成版といえる。このためまずこの糖尿病血液透析患者のデータベースをもとにした解析を実施した。CGM を施行した2型糖尿病血液透析患者 107例を対象に解析を行い、HbA1c 値とグリコアルブミン値のCGM metricsとの関係や、CGM metricsと糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症の関係を報告した。本研究結果より、2型糖尿病血液透析患者においても TIR をもとにした血糖管理の有用性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CGMデータベースのオリジナル版はほぼ完成したものの、各種病態での詳細なデータ抽出に時間を有している。血液透析患者のデータベースを用いて成果報告をすでに行えている点では計画以上の進捗であるが、バイオマーカーの探索の検討はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、現時点の完成版である糖尿病血液透析患者のデータベースを用いた検討をさらに進め、CGM metricsとhard endpoint(心血管イベント、全死亡)の関係の検討を予定している。併せて他の糖尿病病態のデータベースの詳細を作成するとともに、CGM metricsを反映するバイオマーカー探索も進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりもCGMデータベースの作成に時間を有したため、当初予定していたCGM metricsに関係する新規バイオマーカーの検討で使用を予定していたELISAキットや実験器具の購入が少なかった。加えてすでに報告した研究成果も掲載料がかからなかったため、2022年度の使用額は少なかった。次年度以降は新規バイオマーカーの測定に関する検討を今年度以上に進めるとともに、さらに研究成果報告、論文投稿を増やしていく予定である。
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