2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation on low-intensity pulsed transcranial focused ultrasound stimulation for sleep disorders via regulation of microglial polarization
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22K15692
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
間 祐太朗 城西大学, 薬学部, 助教 (00848418)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 経頭蓋超音波 / ニューロモデュレーション / 睡眠障害 / 行動試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、睡眠障害に対する経頭蓋超音波療法の検討を目的としており、初年度はモデルマウスの作成とミクログリアの形態評価、超音波照射後のマウス活動量の評価を実施した。しかしながら、当初の仮説に反して、本研究で用いているモデルマウスにおける実験者の関心脳領域のミクログリアで顕著な変化が観察されなかった。一方で低強度パルス超音波を睡眠障害モデルマウスの特定の脳領域に連日照射すると、マウスの輪回し運動が抑制され、連続的に休息する期間が延長した。そこで、今年度は、ミクログリアではなく、ニューロンに着目し、経頭蓋超音波照射中にマウス脳波活動の測定を検討することと、輪回し運動以外の行動試験(オープンフィールド試験、新奇物体認識試験)を実施することとした。 本年度は、まず麻酔下のマウスから超音波照射前、照射中、照射後の脳波を測定するシステムの構築と、構想試験環境の構築を試みた。その結果、超音波トランステューサーからのノイズを観測することなくマウス脳波を測定された。さらに、特定のパルス周波数で照射した際に、その周波数と一致する周波数帯域で脳波活動が増加することがわかった。また、照射を止めた際に、その活動が減弱したことから、経頭蓋超音波照射が、可逆的に脳波活動を制御する可能性が示唆された。行動試験に関する検討においては、まずオープンフィールドを製作し、記録系や解析環境(DeepLabCutの利用による効率化)を構築した。その結果、過去同一の睡眠障害マウスモデルで報告された不安様行動の惹起や認知機能の低下が観察された。 最終年度は、経頭蓋超音波照射による脳波変動が長期間で観測されるか検討することと、超音波照射により睡眠障害モデルマウスで観測された不安様行動の惹起や認知機能の低下を改善するか検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の結果から、着目する細胞種をミクログリアからニューロンに変更し、その活動を観測した。今年度においてマウスの脳波計測システムや行動試験環境の構築を問題なく遂行できた。睡眠障害モデルマウスにといて、経頭蓋超音波照射により行動変容を起こすことを確認しており、この変容と脳波活動との相関を調査し始めた。特徴的なの脳波活動を観測しており、さらに詳細な解析を行なっている。また、経頭蓋超音波により病態が改善されているのか、輪回し運動の活動以外の行動試験を実施し、統合的に考察することとしている。現在、構築したシステムにおいて、データを収集中であり、最終年度において睡眠障害に対する経頭蓋超音波刺激の効果に関して一定の知見を得られるのではと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、イソフルラン麻酔下において超音波照射および脳波計測を行っているが、これを自由行動下で行えるよう、さらに試験環境を整えていくことを検討する。また、現在は非集束型の超音波トランスデューサーにコリメーターを装着して、照射部位を大脳皮質表層の一部に限局させているが、集束型のトランスデューサーを製作し、空間解像度を高めかつ脳深部への照射を検討する。
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Causes of Carryover |
使用予定のマウスの購入が年度を跨ぐことになったためであり、計画を外れた利用ではない。
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