2022 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the mechanisms of synaptic dysfunction related to loss-of-TDP-43 function in the pathogenesis of ALS/FTLD
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22K15707
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
李 佳益 名古屋大学, 医学系研究科, 研究員 (40867420)
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Project Period (FY) |
2022-02-01 – 2024-03-31
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Keywords | TDP-43 / シナプス / ニューロン / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
シナプスの形成と除去は中枢神経系の発達過程のみならず、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や前頭側頭葉変性症(FTLD)など多くの神経変性疾患において重要な役割を担っている。最近の研究では、神経細胞におけるTDP-43の機能喪失がALS/FTLDの神経変性の主要な原因であることが示されている。また、シナプスの除去にはミクログリアが重要な役割を担っていることが多くの研究で示されている。本研究はTDP-43によるシナプス可塑性制御のメカニズムとTDP-43によって制御されるミクログリアの役割に注目し、ALSの新たな治療標的の同定を目指している。 我々はこれまでにTDP-43flox マウスとニューロン特異的にCre を発現するCamKII-Cre マウスを交配し前脳ニューロン特異的TDP-43ノックアウトマウス(TDP-43cKOマウス)を作成している。TDP-43cKOマウスではニューロンの減少や軸索の変性は生じず、シナプスの減少が観察された。ニューロン特異的トランスクリプトーム解析により、TDP-43によって制御されシナプス可塑性やニューロンとミクログリアの相互作用に関連する遺伝子を複数同定した。また、免疫染色を用いてTDP-43cKOマウスのミクログリアの形態変化が確認でき、更に、変化したミクログリアはM1ではなくM2が増加したことがわかった。今後はニューロンのTDP-43がミクログリアをどのように制御しているのかを解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産休育休を取るため、2022年11月13日まで研究を中断していたため、予定していた研究全般に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
1、今までの実験によって、TDP-43cKO マウスのミクログリアM2が変化したことがわかったが、増加したM2とシナプス減少の関係は不明である。今後はミクログリア抑制する試薬をTDP-43cKOマウスに投与して、immunohistochemistry、Western Blot、real time PCRなどの解析を行う予定である。 2、TDP-43によってミクログリアが制御されるメカニスムの解明Immunohistochemistry、real time PCRなどの方法を用いて、トランスクリプトームで同定した因子の発現をTDP-43cKOマウスとコントロールマウスで検証する。検証された因子Aをニューロン特異的に発現、もしくはshRNAで発現を減少させるAAVを作製、TDP-43cKOマウスに投与しミクログリアとシナプスの変化を解析する。
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Causes of Carryover |
(理由)育休のため、2022年11月13日まで研究が進まなかったため。 (計画)ミクログリア抑制する試薬を利用して、immunohistochemistry、Western Blot、real time PCRなどの解析を行うための費用に充当する。
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