2023 Fiscal Year Research-status Report
視神経脊髄炎におけるセルフリーDNAを介した内因性自然免疫活性化機構の解明
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22K15708
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 尚 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90849522)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | NETosis |
Outline of Annual Research Achievements |
先行実験ではNMOSD患者血清では好中球由来のcell-free DNA濃度上昇を認めNETosisに着目し探索を行った。NMOSD患者血清で健常者好中球を刺激、NETosisを誘導し、固定せずにSYTOX-greenで染色、あるいはneutrophil elastaseを測定したところ、健常者血清で刺激した場合に比して、有意にNETosisが誘導された。患者血清由来のrecombinant AQP4抗体を健常者好中球で刺激した場合はNETosisは誘導されず、またAQP4を強制発現させたHEK細胞でNMOSD患者血清中のAQP4抗体を吸着した後の血清で健常者好中球をした場合NETosisの誘導能は維持されていた。これらのことからNMOSD患者血清のNETosis誘導能はAQP4抗体に依存しないことが判明した。またホスホジエステラーゼ阻害剤であるジピリダモールはアデノシンの細胞外濃度を上昇させ、cAMPの分解を阻害することで過剰なNETosis誘導を制御することが報告されている。NMOSD患者血清にて刺激した健常者好中球をジピリダモールの存在下で培養を行った場合、Sytox green、Nuetrophil elastaseいずれでの評価においてもNETosisの誘導が阻害された。これらを踏まえて、NMOSD患者血清のNETOsis誘導能は、ホスホジエステラーゼ阻害により薬理学的な介入が可能であることが示唆された。 また、好中球に次ぐ、NMOSDのcell-free DNAの産生源として、赤血球前駆細胞も同定されており、NMOSDにおける赤血球とpathologyとの関連についても探索を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画に比べて、患者サンプルが蓄積されておらず、評価が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続きNETosis誘導能の探索を行う。既報によるとNMOSDにおけるNETosisの誘導因子のcandidateは数十種類以上あり、IFNsignatureが亢進している患者群を中心に、プロテオミクス解析等を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初の予定と異なり追加試薬等の購入費用が最低限であったため次年度使用額が生じた。また患者サンプル収集に遅延が生じており、今後サンプルを収集し解析を行う予定である。
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