2022 Fiscal Year Research-status Report
遺伝性ニューロパチーの新規ターゲットパネル解析システムの構築
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22K15713
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉村 明子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任研究員 (00934407)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝性ニューロパチー / 網羅的遺伝子解析 / ターゲットパネル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は(A) 遺伝性ニューロパチーの代表であるCharcot-Marie-Tooth病(CMT)の診断率の向上を目指して、網羅的遺伝子解析をより効率的に行うための改良と、(B)さらなる詳細な分子疫学データや遺伝子毎の臨床的遺伝学的特徴を明らかにし、CMT治療法開発のための基盤情報を構築することである。 まず(A)については、これまで実施してきたターゲットパネルCMT関連72遺伝子や、陰性例について実施してきた全エクソーム解析(whole exome sequencing: WES)での結果を踏まえて再検討し、新たにMORC2, NEFH, BAG3, POLG, SOD1などCMT及び遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチー(HSAN)を含む遺伝性ニューロパチー103遺伝子を対象とした新規ターゲットパネルを構築した。 (B)については、構築したパネルを使用し全国から依頼のあった新規のCMT疑い症例およそ400例の解析を実施し、より多くの遺伝子を効率的に解析できた。またさらにRepeat-Primed PCRやLong-range PCR等により、これまでの陰性例についてリピート伸長解析も進め、RFC1リピート伸長やNOTCH2NLCリピート伸長を同定し、その臨床的特徴も踏まえて学術論文にて発表した(Frontiers in Neurology, 2022; Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry, 2023)。その他NEFHやPOLR3Bなどについて臨床的遺伝学的特徴をまとめて学術論文にて発表した(Journal of Human Genetics, 2022; Annals of Clinical and Translational Neurology, 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CMT及びHSANを含む遺伝性ニューロパチー103遺伝子を対象とした新規ターゲットパネルを構築した。このパネルを用いて、新規のCMT疑い症例およそ400例の解析が継続して実施できており、順調である。 陰性症例についてリピート伸長解析も進め、RFC1リピート伸長やNOTCH2NLCリピート伸長を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も新規CMT疑い症例300から400例の解析を実施予定である。 新規変異については、segregation解析やIn silico解析を進め、変異の病的意義を検証する。 またリピート伸長異常についてもさらなる解析を進める。 過去の解析データも含め、遺伝子毎の臨床的遺伝学的特徴を明らかにし、論文化を進める。
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