2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K15730
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蓮池 裕平 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90838351)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 筋強直性ジストロフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
筋強直性ジストロフィー(DM)は、CTGやCCTGといった塩基繰り返し配列(リピート)の異常伸長が原因の遺伝性筋疾患である。DMでは変異遺伝子より転写された、異常伸長リピートをもつRNAが核内で凝集体を形成し、スプライシング制御因子を障害することで、スプライシング制御機構の破たんを来す。DMでみられる筋強直や心伝導障害は塩化物チャネル、ナトリウムチャネルのスプライシング異常が原因とされている。一方で、DMの多彩な症状のなかで消化管機能異常、中枢神経障害などは平滑筋との関連が示唆されるが、原因は全く解明されていない。 当該年度はこうしたDMでの平滑筋障害機構を解明するために、最適なモデル細胞を作製した。pDWDプラスミドコンストラクトを用いて、ADER法により異常伸長リピートを持つCTG繰り返し配列を合成した。これをpLLC16プラスミドコンストラクト内のDMPK 3’UTR配列に挿入し、ヒト平滑筋細胞に導入してstable cloneを確立した。Creリコンビナーゼ処理によるリピート発現を誘導したDM1平滑筋モデル細胞では、DM骨格筋でみられる核内RNA凝集体形成が誘導されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス関連の業務増加などにより、十分な研究時間を確保することができず、当初計画よりも進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今回確立したDMモデル細胞を使用して、異常伸長リピートによるRNA毒性による平滑筋への影響についてさらに詳細な分子機構を検証する。
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Causes of Carryover |
今年度の研究については、研究室の既存の設備ならびに資材を使用して研究を行った。次年度以降の分子生物学関連試薬の消耗品購入費用に充当する。
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