2023 Fiscal Year Research-status Report
針筋電図を代替する表面筋電図を用いた非侵襲的な神経筋疾患の診断法に関する研究
Project/Area Number |
22K15738
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
神林 隆道 帝京大学, 医学部, 助教 (00774423)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 針筋電図 / 運動単位電位 / 動員パターン / レベル診断 / 定量プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
針筋電図検査は神経筋疾患の診断に広く用いられているが、痛みが強いことが大きな問題点であり、針筋電図検査の役割のいくらかでも侵襲のない表面筋電図検査で代替できればその価値は大きい。我々はこれまでに、表面筋電図検査によって神経原性および筋原性を診断する新しい定量解析法であるClustering Index法を開発し、その有用性を示してきた。本研究では、まず針筋電図検査における運動単位電位(motor unit potential:MUP)や動員パターンの至適の定量解析パラメータを開発し、表面筋電図検査によるClustering Index法と針筋電図検査におけるMUPの各パラメータの神経原性および筋原性疾患に対する診断感度を比較し、表面筋電図検査の神経筋疾患の診断に対する有用性を明らかにすることを目的とする。2023年度は2022年に引き続き神経原性疾患および筋原性疾患それぞれの対象患者の選別および抽出を行い、対象患者に対して針筋電図検査におけるMUPの振幅や面積を含むいくつかのパラメータについて定量解析を行った。また、これらの対象患者に対し表面筋電図検査によるClustering Index法についても解析を行い、解析作業自体は完了した。針筋電図におけるMUPの定量解析パラメータと表面筋電図検査によるClustering Index法との神経原性および筋原性疾患に対する診断感度の比較検討についての論文を作成し、英文雑誌への投稿を行い現在査読待ちである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
針筋電図におけるMUPの定量解析パラメータと表面筋電図検査によるClustering Index法との神経原性および筋原性疾患に対する診断感度の比較については概ね予定通り進展している。針筋電図におけるMUP動員パターンの新規定量解析プログラムの作成にあたっては、当初より想定されていたように、プログラム作成段階が本研究において最も難しい段階であり、今後もプログラムのさらなる検討、改良を要すると考えられる。必要に応じて統計学的処理、筋電計製造企業の協力を得る可能性もある。
|
Strategy for Future Research Activity |
針筋電図におけるMUPの定量解析パラメータと表面筋電図検査によるClustering Index法との神経原性および筋原性疾患に対する診断感度の比較については概ね予定通り進展しており、論文の受理を目指す。今後も引き続き針筋電図検査におけるMUP動員パターンの新規定量解析プログラムの作成を進める。この新規定量解析プログラムを用いて筋電図データベースに記録されている筋電図波形を解析し、MUP動員パターンの定量解析パラメータを求める。さらに、従来用いられてきたMUPの動員パターン定量法と新しい定量解析法との比較を行う。
|
Causes of Carryover |
・消耗品として、電極類、記録メディア、論文別刷など ・研究成果発表にあたり国際学会出席のための外国旅費 ・学術誌投稿のための英文校正謝礼など
|
Research Products
(3 results)