2022 Fiscal Year Research-status Report
精神障害の病態としてのヒストンメチル化異常ー患者におけるゲノム変異を起点としてー
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22K15748
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 秀一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40784286)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 自閉スペクトラム症 / ヒストンメチル化 / リンパ芽球様細胞株 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症 (SCZ)と自閉スペクトラム症 (ASD)の診断・治療法開発に向けた病態解明が求められている。近年ヒストンメチル化酵素 (HMT) 及びヒストン脱メチル化酵素 (HDM)の活性中心にあるゲノム変異と両疾患との関連が示唆されている。しかし活性中心のゲノム変異が及ぼす臨床表現型や本酵素の機能に与える影響は明らかでない。研究代表者は、既に両疾患患者から活性中心の稀なゲノム変異を複数同定しており、当該ゲノム変異をもつ患者からリンパ芽球様細胞株 (LCL) を樹立している。以上を踏まえ、① 25種類のHMT/HDMの活性中心にある稀なゲノム変異の遺伝統計学的解析、② ゲノム変異を有する患者の臨床表現型解析、③ 患者由来LCLを用いた機能解析を行い、HMT及びHDMの活性中心にある稀なゲノム変異を起点として、SCZ及びASD発症機序の一端を明らかにすることを研究の目的とした。2022年度は①、②を経て、SCZ発症に関連することが想定されるゲノム変異をもつ患者のLCLを用いてRNA-seqを行い、当該ゲノム変異があることにより発現に変化をきたす遺伝子を明らかにすべくデータ解析を行っている。今後、当該ゲノム変異をもつ患者由来のLCLを用いてChIP-seqを行い、HMT/HDMが結合するゲノム領域や、ヒストンメチル化修飾の変化するゲノム領域を明らかにすることで、SCZ発祥機序の一端を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム変異をもつ患者由来LCLを用いた解析を始めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム変異をもつ患者由来LCLを用いてChIP-seqを行い、HMT/HDMが結合するゲノム領域や、ヒストンメチル化修飾の変化するゲノム領域を明らかにする。現在解析中であるRNA-seqの結果と合わせ、ゲノム変異がヒストンメチル化修飾機能および他の遺伝子発現に及ぼす影響を、網羅的に明らかにする。
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Causes of Carryover |
他経費で購入した物品の余剰を使用することができ、物品費の使用が想定よりも少なくなった。2023年度に実施予定のChIP-seq実施に費用を要する見込みであり、2023年度請求分と合わせて使用する。
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