2023 Fiscal Year Research-status Report
神経性やせ症の慢性低血糖 -重症化リスクおよび認知機能との関連について-
Project/Area Number |
22K15753
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
原田 朋子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10779432)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 神経性やせ症 / 摂食障害 / 低血糖 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経性やせ症(Anorexia Nervosa; AN)患者の死亡率は精神疾患の中で最も高い。その理由の一つに重症低血糖がある。AN患者の血糖値は、重度の低栄養状態を 反映して慢性的に低いことが多いが、低血糖の状態に慣れており、一般的に生じうる低血糖による嘔気、発汗、動悸、イライラなどの自覚症状を感じにくい。自 覚症状は低血糖を避けるための「危険信号」であり、それにより糖分を摂取するなどして低血糖を改善するための行動を起こさせる。食事を管理している入院環 境下でもAN患者の無症状の低血糖は散見されるが、食事の管理ができていない自宅で、AN患者の血糖値がどのように変化しているかは明らかにはされていない。 このため重症低血糖のリスク因子についての知見は乏しい。また、糖尿病の薬剤性重症低血糖や内因性高インスリン血症による重症低血糖が認知機能障害を引き 起こすことが報告されているが、AN患者の低血糖が認知面にどのような影響を与えているのかは明らかではない。 本研究の目的は、外来AN患者を対象に重症低血糖のリスク因子を明らかにすること、および低血糖症と認知機能との関連を明らかにすることである。方法として は、外来AN患者の持続的な血糖変動と生活状況の関連を詳細に観察することで、重症低血糖とそのリスク因子について検討する。また低血糖と認知機能(セント ラルコヒアランスの脆弱性、セットシフティングの障害)の関連について検討する。 これまでの観察では、外来の血液検査での随時血糖値は、例え食後2時間以内であっても基準値よりも低い場合が散見されていた。引き続き、自宅での食事量や 食事摂取の仕方と持続血糖変動、および認知機能との関連について検討していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
倫理審査の修正を要し、研究の開始が遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
対象となる患者数は見込まれているため、順次研究を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
研究遅延のため。
|