2022 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症のミスマッチ陰性電位及び神経オシレーション異常と大脳白質異常の関連解析
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22K15760
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越山 太輔 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50932547)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 脳波 / ガンマ帯域聴性定常反応 / 磁気共鳴画像装置 / 拡散テンソル画像 / 大脳白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、統合失調症42名と健常者22名を対象に脳波および磁気共鳴画像装置 (MRI) を測定し、ガンマ帯域聴性定常反応と拡散テンソル画像データを取得した。これらのデータをもとに、統合失調症と健常者においてガンマ帯域聴性定常反応と大脳白質の微小構造変化との関連を調べ、ガンマ帯域聴性定常反応の基盤となる神経ネットワークを明らかにすることを目的とした予備解析を実施した。 解析にはガンマ帯域聴性定常反応の指標としてinter-trial phase coherence (ITC) を用い、大脳白質統合性の指標としてfractional anisotropy (FA) を用いた。 ITCは40Hzの聴覚刺激に対するガンマ帯域神経振動の位相同期の強さを示す値である。FAは大脳白質の微小構造変化の代表的な指標であり、FAが低いほど神経線維が走る方向への情報伝達の効率が低下していると考えられている。 予備解析の結果として、先行研究で見られた統合失調症のガンマ帯域聴性定常反応の低下は今回の解析においても再現された。さらに統合失調症における右前頭葉、頭頂葉、後頭葉をつなぐ領域である右前頭後頭束においてFAの低下についても再現された。そしてガンマ帯域聴性定常反応は、右前頭後頭束のFAと健常者においてのみ有意な正の相関が見られたが、統合失調症では有意な相関は見られなかった。 令和5年度は、これらの予備解析結果の解釈を進め、国際学会等で発表できるよう準備を進める。発表の場で海外の学術関係者らと情報交換を行い、今回の解析手法や結果についての討論を行う。その結果を踏まえて解析手法や結果の解釈について再検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は当初の研究計画では、データの収集を進める計画であったが、予想以上にデータ収集が順調に進捗した。よって令和5年度の予定を前倒しして予備解析を進め、暫定的な結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、今回の予備解析結果をもとに、国際学会等で発表をできるよう準備を進める。発表の場での海外の学術関係者との討論をもとに、解析手法や結果の解釈を再検討する。その討論内容を再度検討したうえで、論文作成を進める予定である。
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Causes of Carryover |
データ解析用に整備する予定であったPCのソフトの一部は東京大学が一括契約をしており、購入不要であることが後に判明したため若干繰越金が発生した。令和5年度はデータ解析および結果解釈を進めるためのツールの充実を図る。
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