2022 Fiscal Year Research-status Report
The neural substrate of self-construal with autism spectrum disorder
Project/Area Number |
22K15768
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高橋 誠人 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60736940)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 文化的自己観 / トラウマ体験 / MRI / 主観的幸福度 |
Outline of Annual Research Achievements |
文化的自己観は文化と自己を説明するために用いられ、相互独立的自己観と相互協調的自己観に分類されており、その神経基盤は健常者を対象とした脳画像研究で話題となっている。 自閉スペクトラム症(ASD)は対人関係が苦手で強い拘りを有する発達障害の一つであり、一般には相互独立的自己観を有すると考えられているが、相互協調的自己観を有するASDも多く存在することがわかり、その神経基盤に関して脳画像研究はこれまでのところほとんど報告がない。 本研究ではMRIを用いて、ASD患者における文化的自己観の関連性を検討し、その病態基盤を解明する。また相互協調的自己観を有するASD患者は発達過程において、集団主義的な思考を強要されるといったトラウマ体験を抱えている可能性があり、その関連性についても検討する。 本研究により、ASD児に対する親の養育スタイルを変容させASD児の生活向上につながると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の自閉スペクトラム症(ASD)患者の目標数100名のうち、令和5年3月時点で65名をリクルートしており、これらの患者についてはMRIの撮像だけでなく、また心理検査も施行されている。したがって研究計画書通りの進行状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は研究計画書通りに進行できているため、今後の研究対象のリクルートと頭部MRIの撮像および各種心理検査の継続を行っていく。今年中に途中経過までの対象症例を用いて画像解析および統計解析を施行する。
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Causes of Carryover |
次年度の使用額に関しては引き続きリクルートした患者に対する謝礼金、またデータの保存を行うためのデバイスの購入、さらに次年度より統計解析を行うにあたって統計解析ソフトの購入等に充てていく予定である。
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