2022 Fiscal Year Research-status Report
Effects of COVID-19 on children's mental health and development of language and sociability
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22K15779
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
坂本 由唯 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60770386)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コロナ禍 / メンタルヘルス / ゲーム / 動画 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス禍における子どもたちの動画視聴時間やゲーム時間の変化とメンタルヘルスとの関連を調査した。対象は令和3年5~6月及び同年11月~12月に5歳児発達健診精検を受けた5歳児131名(男:女=85, 46)である。CRISIS AFAR日本語版を用いて、動画視聴やゲームに費やす時間をコロナ禍前後で比較した。健診では、子どもの強さと困難さのアンケート保護者版(PSDQ)、保護者の育児ストレス(PSIC)などの尺度を用いた。PSDQは情緒、行為、多動不注意、仲間、向社会的行動の5つの下位尺度からなり、それぞれLow need, Some need, High needに分類した。統計はカイ二乗検定、Spearmanの順位相関分析を用いた(p<0.05)。その結果、コロナ禍前後で動画視聴時間は「1時間未満」が23%から16%に減少し、「4時間以上」が8%から12%に増加した。カイ二乗検定の結果、動画視聴時間が増加した群では、PSDQ情緒とPSDQ行為がSome needないしHigh needの児が優位に多かった(p=0.028, p=0.013)。また、Spearmanの順位相関分析の結果、ゲーム時間の変化とPSICとの間に負の相関(ρ=-0.19)が認められた。コロナ禍において動画視聴時間が増加した児は、情緒や行為の問題が多かった。一方、児のゲーム時間が増加した群で保護者の育児ストレスが低かった。このことから、保護者が在宅勤務や家事に集中するためのツールとしてゲームが用いられている可能性が示唆されたが、因果関係について言及はできず更なる調査が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健診の一次スクリーニングはインターネット上で回答可能であり、二次精検も感染対策を講じながら継続しているため、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
調査を行った時期における市内の感染状況と調査結果とをリンクさせて解析を進める。
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Causes of Carryover |
新型ウイルス禍や不安定な世界情勢を背景に物流が滞っていることと、円安および物価高を考慮し、iPadや消耗品の購入を延期したため次年度使用額が発生した。次年度以降、iPadや消耗品を購入する計画である。
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Research Products
(2 results)