2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢双極性障害患者における認知症前駆状態の早期診断法の検討
Project/Area Number |
22K15794
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
内田 由寛 順天堂大学, 医学部, 講師 (80647040)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 双極性障害 / 気分障害 / 認知症 / 軽度認知障害 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「高齢者の双極性障害における軽度認知障害の病態解明」を目的としている。認知症において、tauやAβの重要性は広く認識されているが、双極性障害患者についての認知症前駆状態におけるtauやAβに関する報告は国内外で確認されていない。そこで本研究では、双極性障害の段階での認知症前駆状態期における、脳脊髄液中のtauやAβ測定の重要性に着目し、高齢双極性障害患者の脳脊髄液中のt-tau、p-tau、Aβに焦点を当て、より早期に双極性障害患者における認知機能低下のメカニズムを解明することを目的としている。 本邦では統合失調症やうつ病における長期間追跡調査がさかんに行われている一方、双極性障害の認知機能を縦断的に長期間追跡した研究は未だない。そこで、本研究では双極性障害患者における認知機能低下のメカニズムを解明するため、研究期間中に「入院患者をリクルートし、入院時点での双極性障害の病期と認知機能を評価」「入院患者の脳脊髄液と脳画像を組み合わせて認知機能を評価」する。さらに、これら結果の統合的な統計解析および、エントリー患者の追跡調査を計画している。ゆえに、本研究の目的達成には、多くの患者の協力とできる限り長期間の追跡調査が必要である。 多くの患者をリクルートすることを主眼に、今年度は、順天堂大学医学部の各附属病院メンタルクリニックへ協力を要請し、患者リクルート体制を構築した。具体的には順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院、順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター、順天堂大学医学部附属浦安病院へ入院する患者の中から対象患者をリクルートして研究を実施する体制を構築した。さらに、研究実施計画書および患者同意文書を作成し、順天堂大学医学部医学系研究等倫理委員会で承認された。目下、各附属病院において対象患者をリクルート中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究遂行のために研究実施体制を構築した。研究実施計画書および患者同意文書を作成し、順天堂大学医学部医学系研究等倫理委員会で承認された。すでに各附属病院において対象患者のリクルートを開始しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度構築した研究体制により、引き続き対象患者の研究参加を募り、データを蓄積していく予定である。
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Causes of Carryover |
複数の年度にまたがる研究であり、今年度はバイオマーカーの検討、研究実施体制構築が主であったため次年度への繰越が生じた。また、参加予定であった学会、勉強会がオンライン開催されたことも要因である。 対象患者のリクルートを開始しており、次年度は検査の外部委託費、消耗品購入、学会参加旅費に活用していく予定である。
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