2023 Fiscal Year Annual Research Report
臨床画像と人工知能を用いた頭頚部癌の放射線治療の最適な治療戦略の選択に関する研究
Project/Area Number |
22K15799
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 敬一郎 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (80899633)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 頭頸部癌 / 子宮頸癌 / ラジオミクス / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は研究者が所属する施設で頭頸部癌に対するIMRT(強度変調放射線治療)による治療を行った症例に関して病変部位における形状特徴量・テクスチャ特徴量・ヒストグラム特徴量の抽出を行い、生存期間・局所制御率・無再発生存率等のアウトカムとの関連性について解析した。 2023年度は、頭頸部癌患者の放射線治療成績に関する研究の一環として鼻腔・副鼻腔に対する陽子線治療の治療成績について解析した。研究者の所属施設で治療を受けた37名を根治切除に照射を加えた群、根治切除可能だが照射を行った群、根治切除が不能で照射を行った群の3群に分けて予後を解析した結果、手術+照射群と切除可能だが照射を行った群が全生存率、無増悪生存率、局所制御率が良好であることが明らかとなった。この研究は英文誌に論文が掲載された。 また、放射線治療前の画像と放射線治療中の中間評価の画像の両方を用いてラジオミクスによる解析を行うことで、治療中の画像変化から患者の予後をより高い精度で予測することを目的とした研究に取り組んだ。放射線治療中の中間評価で単純CT画像を用いている頭頸部癌ではなく、より情報量の多いMRIを用いている子宮頸癌を対象とした。115例の子宮頸癌患者で治療前・治療途中のMRI画像を用いて腫瘍の輪郭を描出した。予後解析はまずは最も単純に算出できる腫瘍体積の縮小率を用いた。患者を腫瘍の縮小率に応じて3群に分けて予後を解析したところ、縮小率の大きい順に有意に全生存率が良好であることが明らかになった。この結果は日本放射線腫瘍学会第36回学術大会にて報告を行った。現在、これらのデータをもとにラジオミクス解析を行うため、画像特徴量の抽出と予測因子の選択を行うための機械学習の環境を構築中である。今後はより精度の高い予後予測モデルを作成し放射線治療の最適化に利用することを目標として研究を継続していく予定である。
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[Presentation] Stage III-IVA子宮頸癌における中間評価での腫瘍縮小率と予後の関係2023
Author(s)
斎藤 高, 角谷 泰輔, 馬場 敬一郎, 藤岡 伝, 白瀧 玄, 新津 光, 牧島 弘和, 沼尻 晴子, 水本 斉志, 中井 啓, 櫻井 英幸
Organizer
日本放射線腫瘍学会第36回学術大会