2023 Fiscal Year Research-status Report
小細胞肺がんにおける代謝の変化と画像診断、放射線治療との関係
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22K15809
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
岡田 幸法 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (80815811)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 小細胞肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は本研究課題に関して査読付き英文原著論文で報告を行うことができた。Springer nature社が出版しているEuropean Journal ofHybrid Imaging(現在はEJNMMI Reports、5年間のIF1.8) 2024年8:4に本研究者が筆頭で執筆した内容がAssociation between PET-CT accumulation in the hypothalamic/pituitary regions and neuron specific enolase/primary tumor in limited stage small cell lung cancer:a case controlled retrospective studyとして掲載された。研究の詳細はオープンジャーナルとしてhttps://doi.org/10.1186/s41824-024-00190-zに詳細が報告されている。 本研究結果に関して上記論文を元に概要を示す。東京医科大病院において小細胞肺がん限局期(LD)と診断された19症例(年齢70.1±8.8歳、13症例男性、6症例女性)においてPET-CTを用いて検討を行ったところ、NSEが基準値16.3以上の群では視床下部下垂体領域のSUVmaxが4.10、NSEが基準値16.3未満の群では視床下部下垂体領域のSUVmaxが2.95と統計学的に有意差を認めた(p=0.03)。視床下部下垂体領域のSUVmaxとNSEは相関係数r=0.458(p=0.0486)を認めた。ROC解析では視床下部下垂体領域のSUVmaxを3.10で切った場合NSEの基準値以上と基準値未満に関して感度0846、特異度0.833であった。また、視床下部下垂体領域のTLGと原発巣のTLGは相関係数r=0.53(p<0.01)、視床下部下垂体領域のTLGと全腫瘍のTLGは相関係数r=0.242(p=0.07)を示した。NSEと全腫瘍のTLGは相関係数r=0.59(p<0.01)、NSEとリンパ節転移のTLGは相関係数r=0.57(p<0.01)を示した。以上の結果より視床下部下垂体領域のブドウ糖代謝亢進は小細胞肺がんの活動性に関連していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は本研究課題に関して査読付き英文原著論文で報告を行うことができた。2024年に出版されたEuropean Journal ofHybrid Imaging(現在はEJNMMI Reports) に本研究代表者が筆頭で執筆した内容がAssociation between PET-CT accumulation in the hypothalamic/pituitary regions and neuron specific enolase/primary tumor in limited stage small cell lung cancer:a case controlled retrospective studyとして掲載された。研究の詳細はオープンジャーナルとしてhttps://doi.org/10.1186/s41824-024-00190-zに詳細が報告されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は可能であれば別の後ろ向き研究に加え前向き臨床研究を行うことを予定している。特に小細胞肺がんの活動性にホルモンがどの程度関与しているかについても検討を行うことを考えている。他方、小細胞肺がん限局期の治療法に関しては放射線治療の術式について強度変調放射線治療を用いた54Gy/30回/15回が45Gy/30回/15日よりも生存期間を改善することがJiayi Yu先生らのグループから2023年にASCOやASTROで報告されており、前向き試験を行う場合にはこの新しい治療技術を反映したデザインを立案することを検討している。わが国では診療報酬の改定が2024年に限り4月から6月となり、この診療報酬の改定では強度変調放射線治療を6時間以上あけて照射する場合1日2回分の診療報酬を請求することができる。しかし、一般化するには時間もかかると思われるため前向き試験の時期については考慮が必要と考えられる。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由としては論文投稿と受理までに時間を要したこと、放射線治療の教科書であるがん放射線療法改定8版の出版をまっていたことなどがある。 今後の使用計画としては主に論文投稿費用などとして使用することを予定している。
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