2022 Fiscal Year Research-status Report
乳がん患者における脂肪定量MRIを用いた骨粗鬆症の診断および発症予測
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22K15810
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
三阪 知史 近畿大学, 奈良病院, 技術職員 (80938168)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MRI / PDFF / 圧縮センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、MRIで測定した腰椎の骨髄脂肪含有率によって、ホルモン受容体陽性乳がん患者の骨粗鬆症診断や発症予測ができるかを明らかにし、新しい評価法を確立することである。 2022年度はファントムを用いてChemical shift-encoded MRI (CSE-MRI)から得られる脂肪含有率(proton density fat fraction: PDFF)の精度検証をおこなうとともに、圧縮センシング併用CSE-MRIにおける腰椎のPDFF測定精度を評価した。圧縮センシングは撮像時間の短縮が可能で患者負担を軽減できる技術であり、CSE-MRIに使用可能である。しかし使用した場合に測定精度を担保できるかどうかが不明であったため、それらを明らかにした。 検証の結果、CSE-MRIによるPDFFはファントムの基準値と比較して平均誤差0.08%であり、測定精度は担保されていた。圧縮センシングを使用しても精度は担保されており、撮像時間が4分の1になるよう設定してもリファレンス値と比較して平均誤差0.27%であった。また被験者の腰椎においても、圧縮センシング併用CSE-MRIは平均誤差0.23%であり、PDFFの精度が担保されていることを明らかにした。さらに解析者間および解析者内の測定の一致度も非常に高かった。圧縮センシングを使用した腰椎のCSE-MRIの精度検証については過去に報告されておらず、撮像時間を最大75%短縮してもPDFFの精度を担保できるという有用な研究結果を得ることができた。CSE-MRIの標準化プロトコル構築の一助となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ファントムを海外から取り寄せたため、到着までに時間がかかった。ファントムを用いた精度検証を終えており、また圧縮センシングなどの撮像パラメータを変化させた時の精度検証も終えているが、論文を学会誌に投稿するのが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果として、MRIによって組織の脂肪含有率測定を精度良くおこなえることを明らかにした。2023年度は腰椎の骨髄脂肪含有率によって、ホルモン受容体陽性乳がん患者の骨粗鬆症診断ができるかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、学会参加のための旅費支出が発生しなかったため、次年度使用額が生じた。翌年度は学会に現地参加し、情報収集・発信をおこなっていく予定である。
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