2022 Fiscal Year Research-status Report
適切な核医学治療の確立を目指した分化型甲状腺癌における分子生物学的特徴の解明
Project/Area Number |
22K15817
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邊 史郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (10802415)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 甲状腺癌 / I-131 / FDG / オクトレオスキャン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究遂行の遂行実績として、研究を開始するために前向きでの研究計画書を作成した。その後、北海道大学病院の生命・医学系研究倫理審査委員会での承認を得たのちに、北海道大学病院での研究を実施開始した。再発・転移を有する分化型甲状腺癌症例の患者を対象としたリクルートを行なっており、2023年4月の時点で2例でのデータを取得した。しかし、予想よりも組入基準を満たし、かつ研究参加に同意する患者が少なく、研究計画よりも遅延している。 また、本研究の対象患者募集と並行し、北海道大学病院核医学診療科で、過去に分化型甲状腺癌に対するI-131内用療法を実施した患者の情報を収集している。こちらは後ろ向き研究として、2013年からの症例についてデータベースを作成しており、現時点で、200例程度の症例についてデータの収集が完了している。残りの症例についても収集しながらデータベースを完成し、再発・転移を有する分化型甲状腺癌患者でのI-131集積の有無を予測する因子の抽出を行う。この後ろ向き研究は、本研究における適切な核医学治療の確立に必要な情報となる。 次年度においては、引き続き前向き研究における患者募集を継続し、これらデータの解析を行う。また後ろ向き研究に関しても並行して進め、データの解析を行う。これらの結果をまとめ、再発・転移を有する分化型甲状腺癌における、分子生物学的特徴を明らかにし、学会や論文での発表を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象となる症例が少なく、症例収集において遅延している。
|
Strategy for Future Research Activity |
前向き研究において、対象症例の集積を継続する。関連施設に、紹介の促進するように連絡を取る。それでも対象となる症例が少なければ研究期間の延長を考慮する。 また後ろ向き研究については、データベースの完成を目指す。その結果からI-131集積を予想するモデルの作成も検討する。臨床情報や画像情報からI-131が効果を示す症例を抽出するAIモデルの作成も目指す。
|
Causes of Carryover |
対象患者が少なく、次年度以降において、症例に行う検査費用および解析や論文発表に経費が必要となるため。 保険適応外となる各種画像検査の費用として、各症例に0~15万円程度、解析に必要なPC等で30万円程度、英文校正や論文発表で10-30万円程度、学会発表に関連する費用として20万円程度を使用する予定である。
|