2022 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療開始までの時間短縮が可能かつ体内状況に適応する次世代放射線治療法の開発
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22K15844
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊良皆 拓 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80826008)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 即時適応放射線治療 / コーンビームCT / Ethos / 同時曝射 / 治療計画CTが不要 / コミッショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,即時適応放射線治療(ART)が可能な商用システムであるバリアン社製Ethosが所属機関に導入されたため,本システムのコミッショニングを行った.本システムは同社製放射線治療装置Halcyonのアップグレード版として位置づけされている.システムの実の導入であり,ハードウェアとしては変更がない.そのためビームデータの測定等,通常のコミッショニングで必要とされる実測の部分に関しては全て省略した.Ethos専用の治療計画装置(EthosTPS)が導入されたため,まずEthosTPSを臨床使用するためのコミッショニングを行った.その結果,EthosTPSは従来使用していた治療計画装置(Eclipse)と同等の性能を有していることを確認した.加えて,ART実施時に作成されるプランの独立検証を行うソフトウェア(Mobius3D)のコミッショニングを行い,臨床使用可能とした.臨床でのART実施に必要なパラメータの決定も行った.安全なART実施のため,上記コミッショニングの報告書,ARTマニュアル,チェックシートなどを作成し,所属機関における運用の策定を行った.2022年12月7日に,日本初の膵がんに対する息止めARTの治療を実施した.全15回の治療のうち,3回をARTで行った.続いて3例の膵がんに対する息止めARTの治療を実施した.リンパ節再発1例でもARTを実施した.すべての治療において時間計測を行っており,患者入室から退室までの時間は35-40分程度だった.最も時間がかかるのは標的や重要臓器のコンツールの修正だった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に行ったものは,本来3年目(2024年度)に行う内容だったが,所属機関への即時適応放射線治療システムの導入が早まり,前倒しして行ったため.コミッショニングを通して作成した報告書,マニュアル,チェックシートは実臨床で安全に使用されている.また院内教育も実施し,安全な治療が提供できているため.
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Strategy for Future Research Activity |
実臨床で治療計画用CTが不要となるワークフローが可能なシステムが導入されたため,本研究の実現可能性が高い.2023年度は,様々な診断CT装置やPET-CT画像での線量計算精度を評価する.必要な2種類のファントムは所属機関が有している.様々なCT/PET-CT装置は所属機関および関連病院のものを使用する予定である.
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Research Products
(10 results)