2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a Novel Diagnostic Imaging Technique for Tiny Pancreatic Cancer Using Three-Dimensional CT
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22K15868
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山雄 健太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10716351)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌早期診断 / 微小膵癌 / 3D-CT / 膵実質部分の部分的萎縮 / 膵管狭窄 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は予後不良な癌腫であるが、微小膵癌の段階であれば予後は良好である。しかし腫瘍径が小さいため、各種画像検査での描出は困難である。微小膵癌の診断に有用な間接的な所見として、申請者らは膵実質の部分的萎縮が2次元CT検査において、高頻度に観察されることを報告した。しかし通常の2次元CTでは膵実質の部分的萎縮は評価が困難なことが多い。3次元CTは対象臓器を立体画像として表現できるため、萎縮を含めた膵実質形態をより俯瞰的に評価でき、膵管狭窄症例の中から効率的に微小膵癌を拾い上げられると考えた。本研究では最新の3次元CTを用い、膵癌の予後改善につながる微小膵癌の診断法の確立を目的とした研究である。 現在までに腫瘍径10 mm以下の微小膵癌症例を23例集積した。この中の数例のCT(2次元CT)を画像解析ソフトのOsirix MDにて3次元抽出を行っている。今回、3次元CTで評価すべき点は、微小膵癌に特徴的な所見である膵癌周囲に発生する膵実質の部分的萎縮である。この所見は非常に微細な変化であり、2D-CTでは指摘が不正確になる可能性があり、このために膵臓自体を3次元抽出することで、その所見の補足が容易になると考えた。しかしながらOsirix MDではその微細な変化が十分に表現ができず、現在は試行錯誤をしながら、より正確に膵実質の変化を表現できるように試みている段階である。これができれば事前の計画に準じ、良性膵疾患(高齢者、慢性膵炎、肥満症例)などの膵臓の抽出に移行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微小膵癌症例における膵実質の部分的萎縮は微細な変化であり、これが2次元CTよりも3次元CTの方が、その特徴をわかりやすく、正確に表現できると考えていた。ただし今回使用しているHoloeyes XRシステムを用い、膵実質を3次元化抽出した際に画像が正確に抽出できず、微小膵癌症例における微細な変化を十分に反映できていない可能性があり、現在は正確な抽出方法を模索中である。このため研究の進捗は予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もHoloeyes XRシステムを用いてさまざまな抽出方法を試行し、解像度の高い画像抽出を試みる。
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Causes of Carryover |
令和4年度は新型コロナウイルスの影響によりいくつかの学会や研究会がWeb開催となった。このため、国内および国外の旅費を使用する機会がなく、当初の 計画よりも使用経費が少なかった。次年度は多くの学会が現地開催の予定であり、積極的に参加し、旅費として経費を使用させていただく予定である。また次 年度は研究結果の論文化を試みる予定で、英文校閲料、研究成果投稿料としても経費を使用予定である。
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