2023 Fiscal Year Research-status Report
炭酸ガスフォームを用いた新たなX線陰性血管造影剤の開発
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22K15893
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
堀之内 宏樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (50815991)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 炭酸ガス造影 / フォーム / 血管造影検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管造影検査において、二酸化炭素(炭酸ガス)を用いた炭酸ガス造影はヨード造影剤の代替法であるが、液体である血液との気液二相流が生じ、ヨード造影剤と比較し、診断精度と安全性が劣る欠点がある。この欠点を克服するため、炭酸ガス造影法における造影効果と分布、安全性を改善した炭酸ガスフォームX線陰性造影剤について予備実験を行った。 既に炭酸ガスフォームは従来の炭酸ガスと同等のX線陰性造影効果を保ちつつ、液体中で浮力の影響が従来の炭酸ガスよりも軽減した挙動を示すことを確認した。そいて、フォームの安定した作成方法を確立するために、既存のデバイスを用いた作成方法を試し、経カテーテルでの投与の実現性について実験を行った。 今後は、自動灌流装置と血管ファントムを用いて拍動性血流を再現し、血管造影装置における炭酸ガスフォームの造影能を定性的・定量的に画質評価を行い、造影剤注入速度や血管造影装置の条件などの撮影プロトコールを確立する予定としている。また、従来法での炭酸ガス造影検査についても、撮影プロトコールの改良を行い、従来法での診断能改善を試み、安全性についても評価を行っていく。 最終的には、炭酸ガスフォームの臨床応用実現に向けて、界面活性剤や粘弾性を有する既存の薬剤でヨード造影剤に相当する造影能を有した炭酸ガスフォームを作成可能か、経カテーテルでの血管造影検査が可能かを検証していく予定である。 得られた研究成果は、国内外の学会にて発表していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
社会情勢の影響もあり、当初計画していた研究の実施が困難であったため、研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究実施計画書に基づき、自動灌流装置と血管ファントムを用いて、血管造影装置における炭酸ガスフォームの造影能を定性的・定量的に画質評価を行い、造影剤注入速度や血管造影装置の条件などの撮影プロトコールを確立する予定としている。 そして、炭酸ガスフォームの臨床応用実現に向けて、既存の薬剤で安定した安全な炭酸ガスフォームを作成可能か、それを用いた血管造影検査が実現可能を検証していく。
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Causes of Carryover |
計画していた研究の実施が困難であったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額については、未実施の研究に必要な設備備品、消耗品の購入などに使用予定である。
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