2022 Fiscal Year Research-status Report
神経発達症のある乳幼児の睡眠リズムの変遷とその関連要因の検討
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22K15898
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 絵美 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (30815824)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 乳幼児期 / 神経発達症児 / 睡眠リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠は小児の心身の発達に重要であり(Dahl, Semin Pediatr Neurol. 1996)、発達途上の小児における睡眠の問題は、日中の認知行動面や後年の発達の状態に影響を及ぼすことが知られている(Gozal, Pediatrics. 1998; Touchette et al., Sleep. 2007)が、神経発達症児は定型発達児に比して睡眠障害を合併することが多い(Mindell, & Owens, A CLINICAL GUIDE TO Pediatric SLEEP. 3rd ed. 2015)。 本研究では乳幼児期の神経発達症児の睡眠の状況を3年間継続して調査し、影響するファクターの抽出をするとともに、我々が開発した子どもの睡眠習慣改善アプリケーション「ねんねナビ」(Yoshizaki et al., JMIR Pediatr Parent. 2020)を神経発達症児用にバージョンアップし、そのアプリを用いた介入に同意された親子を対象に睡眠衛生指導を行ない、睡眠に悪影響を及ぼすファクターを除去し、本来の神経発達症児の睡眠リズムの変遷を明らかにする。また、睡眠が神経発達症児の発達促進、および発達特性とそれに起因する問題行動の変容に及ぼす影響について検討する。加えて、アンケート調査と教育コンテンツ視聴・発達評価の参加に同意された親子を対照群とし、介入の有無による神経発達症児の睡眠リズムや発達の変容の違いについて検討する。より効果的な介入を行うためにその介入ポイントの検討を目的として行った大規模調査より、適切な睡眠習慣づくりには、就床時刻等の生活習慣を早めるだけでなく、生活リズムを整えることや、就床前はメディア視聴など覚醒度を上げる活動は避けることが重要であること等を明らかにした(Murata, et al., J Clin Sleep Med. 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経発達症児は、感覚の過敏さや興味の偏りなどがあり、なかには、知的発達症や運動発達遅滞のある児もおり、その発達の状態は多様である。しかし、神経発達症の診断がなされるのは早くても2歳以降のことがほとんどであるため、「ねんねナビ」を用いたコミュニティー群を対象とした我々の先行研究(未発表データ)において、神経発達症が疑われる児がおり、彼らへの介入経験からアプリケーションの改良が必要であることが明らかとなった。そのため、「ねんねナビ_神経発達症児バージョン」への改良を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
「ねんねナビ_神経発達症児バージョン」へと改良し、乳幼児期の神経発達症児の睡眠の状況を3年間継続して調査し、影響するファクターの抽出をするとともに、本来の神経発達症児の睡眠リズムの変遷を明らかにする。また、睡眠が神経発達症児の発達促進、および発達特性とそれに起因する問題行動の変容に及ぼす影響について検討する。加えて、「ねんねナビ_神経発達症児バージョン」による介入の有無による神経発達症児の睡眠リズムや発達の変容の違いについて検討する。
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Causes of Carryover |
「ねんねナビ」を用いたコミュニティー群を対象とした我々の先行研究(未発表データ)において、神経発達症が疑われる児がおり、彼らへの介入経験からアプリケーションの改良が必要であることが明らかとなり、「ねんねナビ_神経発達症児バージョン」へと改良準備に時間を要しているため。
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Research Products
(1 results)