2022 Fiscal Year Research-status Report
CDHに対するFETO後のバルーン除去 ―HIFUによる新規胎児治療法の開発―
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22K15906
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
瀬尾 晃平 昭和大学, 医学部, 講師 (70791440)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 強出力集束超音波 / 先天性横隔膜ヘルニア |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度はin vitro実験にて、1.エマルジョン化リモネンの最適化、2.高効率HIFU照射プロトコルの設定、3.焦点可視化プログラムの実装、4.安定性評価の4項目の検証を予定していた。 1.滅菌レベルを考慮した粒子径でのエマルジョンには制限があり、特殊な粒子径でなければHIFUにより破綻しないと、新たなエマルジョン生成方法を開発しなくてはいけなかった。しかし、滅菌レベルを考慮したエマルジョンでも十分にHIFUで破綻させ得ることが分かった。 2.HIFUによるエマルジョン化リモネン含有バルーンの破壊は、熱的作用によるものか、非熱的作用によるものなのかが不明であった。加熱波を使わずにトリガー照射のみのプロトコルでバルーンの破綻が得られたため、照射時間あたりの効率を高め、安全性が高い照射プロトコルを作成できることが判明した。 3.焦点可視化プログラムの実装は、照射機器を改良したことで可能となったが、あくまでもin vitroであり、生体内での精度に関してはまだ不明である。 4.世界的な物流の停滞により、エマルジョン化リモネン含有バルーンの精製のための材料の確保が困難であった。そのため、予定していた安定性試験のうち、苛酷試験、光安定性試験、加速試験、中間的試験が行えなかった。一方、長期安定性試験は問題なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界的な物流の停滞による材料の確保に難渋したため、予定していた安定性試験のうち、苛酷試験、光安定性試験、加速試験、中間的試験が行えなかった。しかし、それ以外のin vitro実験は滞ることなく施行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に出来なかった苛酷試験、光安定性試験、加速試験、中間的試験をin vitroで行い、その結果をもって動物実験に移行する。 令和5年度に予定している研究は以下の通りである。長期胎内安定性試験として、エマルジョン化リモネン含有バルーンを留置後に観察を続け、時間経過に伴う変化を評価する。径の変化などを定期的に超音波検査にて行う。HIFU治療後の中長期的有害事象評価試験として、バルーン留置直後にHIFU照射を行い、バルーンを除去、娩出させず観察を続け、除去後の内容液による中長期的評価を行う。HIFU治療後の短期的有害事象評価試験として、バルーン留置2ヶ月後にHIFU照射しバルーンを除去、直後に娩出とし、短期的有害事象の評価を行う。HIFU治療後の短期的・長期的な組織学的気道障害の評価として、FETOバルーン挿入を行ったブタ胎仔の気道を切り出し、組織学的評価を行う。 以上の実験を年度内に予定通り行うことで、計画は推進可能であると考えている。
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Causes of Carryover |
世界的な物流の停滞により材料と機器の調達に難渋した。具体的にはエマルジョン化リモネンを精製するための材料費の高騰、胎児鏡治療機器の出荷延期、BALTバルーンの出荷延期などである。次年度に持ち越し動物実験のための機器購入と、妊娠ブタの準備、BALTバルーンの輸入および関税、動物実験施設の施設使用料、麻酔管理料などとして使用し研究遂行予定である。
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